2011年3月18日金曜日

大震災後の山

こんなとき、山や岩場に行くべきか、行かざるべきか?
結論は、各自の考え方によると思います。

ただ、僕は仕事でもあるので、少しだけ考えを述べます。

現在、「不要不急の外出は避ける」ことや、防災意識の高まり、「被災地のことを思えば贅沢を言うべきではない」といった御時世です。

そして、一般の方にとっては登山はレジャーで、全く不要不急のイメージでしょう。
ただ、私たち山屋やクライマーにとっては、山は生きがいそのもので、社会生活以上に日常と感じる人までいます。
「日常を送るなら、山のチャンスは捨てたくない」と、ここに感覚のズレがあります。

これに関しては、今回私も相当考えました。

では、実際に山に行く問題を整理すると

・自分の身は大丈夫か?
落石や雪崩のリスクが、普段よりも高い(ただし、ルートや内容にもよる)
下山後、道路状況や交通機関が不安定なのは確か。

・「遊んでるくらいなら、被災地のために出来ることはないか?」
私の考え:
ニュースを見ている限りは、ボランティアよりも募金を求めている。
つまり、遊ぶこと自体は、自宅待機しているのと大差ない。
むしろ、そういう気持ちがあれば、募金などを積極的にすべきではなかろうか?

・何かあったときに普段以上に公共機関に迷惑は掛からないか?
これは有り得る。
ただし、遭難が迷惑なのは登山なら常のこと。このあたりは考え方も様々だろう。
私は、普段よりも危険率が低い(あるいは自力レスキューしやすい)内容を実践するという形で、実行するつもり。

・気持ち
自分自身の気が乗らないのはもちろんだが、周囲から(多くの場合は)漠然と良く思われないのも、モチベーションが下がる。

というあたりでしょうか。

当塾の方針としては、以下のようにしていきます。

・講習会は実施。ただし、直前の状況で中止の可能性もあり。

・山域、ルート、エリアの内容によっては、リスクを警戒して中止・変更もありえる。

・直前キャンセルも含めて、当面はキャンセル料は無し。ジム講習も含めて。

それでも、反対の方、漠然とした違和感を持つ人も居るでしょう。
行くにせよ、行かないにせよ、無理強いすることではないと思います。

ちなみに、JFAのホームページで、一部岩場でのクライミング自粛のお願いが出ています。
今週末、岩場に行こうとしている方は、こちらも読んでからエリア選択や行く行かないを選んでみてはどうでしょうか?