2019年1月7日月曜日

取りやすい場所、欲しい場所

1月4日(金)~6日(日)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。

1日目は、女性FSさん、男性YZさん。
2日目は、全員新規で男性3人組のYIさん、WNさん、NMさん。女性OUさん。
3日目は、YIさん、WNさんが残って連続にて。
<暖かい>

クラックの場合、どこでプロテクションを取るかも自由です。

仮に、どこにでもカムが効くルートというのを想定して、実際問題どの辺に欲しいかを考えてみます。
左図の、①、④、⑥は地上やテラスから安定してセット出来る場所。
③、⑤、⑦は、次のテラスまでのムーヴで落ちた場合に、テラスまで落ちないための保険として、欲しい場所。
②は、①が膝下ぐらいの高さになったときに、グランドフォールを避けるために、欲しい場所。
「私なら、もっとイッパイ欲しい。」
という人も多いでしょう。

例えば、テラス直前のマントルが厳しい場合なんかは、③、⑤、⑦よりも少し高めに欲しくなるかと。
<講習では、初リード中>

実際は、これに加えて各パートの難易度などで落ちる確率を算段して、メリハリを付けて登る訳です。

もっと言えば、固め取りなどの実戦的な作戦を考えると、バリエーションはここには書ききれません。

この戦術そのものが、クラックの醍醐味でもあります。
自分に合ったムーヴを探るのと同様、これが楽しくてやっているような部分もあります。
<純(5.8)をO.S.するYZさん>

さて、初心者にありがちな失敗として、右図のようなカム戦略があります。

①、④、⑥は、立てるからセットした。
②は、何となく怖くてセットした。
③、⑤、⑦は、「もうすぐ立てる!」と思って、ついついランナウトしていることに気づかずに突っ込んでいた。

これを戦略と呼べるかどうかは分かりません。
ただ、気持ちは大いに分かります。
<パープルシャドウ(5.8)もO.S.>

ただ、こういうテラスが多いルートって、山では多いじゃないですか!?
しかも、入門ルートほどテラスが多くて、落ちるのが難しく、フォールが事故に直結しがちというジレンマ。

マルチピッチ、アイスクライミング、沢登り、まぁ何でもそうだと思います。

クラックの5.10以下のもの、湯河原・小川山などの緩傾斜のボルトルートでも、頻出だと思います。
(ボルトルートの場合は、作者がその辺を考えてボルトを打ってくれていますが、登る方にも自覚が無いと結局は危ないです。)
<2日目>

と、結局似たような話で、恐縮です。

いつもながら、図に書いたような状況を俯瞰する自分が必要ということですかね。

<テーピング中>

<リードで落ちる練習>

<純(5.8)をO.S.するWNさん>

さてさて、YZさん、YIさん、WNさんの3人は、クラックリード講習を卒業といたしました。
もし良かったら、また復習受講でも、別講習でも来てくださいませ。

実践本気トライ
YZさん:純(5.8) O.S.
    樹氷(5.8) O.S.
    パープルシャドウ(5.8) O.S.
WNさん:純(5.8) O.S.