2020年10月1日木曜日

何かが違う

8月26日(水)は、ジムリード講習にて、男性AHさん、男性SHさん。
本日で、2人はジムリード講習を卒業といたしました。

8月28日(金)は、マルチピッチリード講習にて、男性MKさん、女性FSさん。
ジムリード講習の2人、この講習以後、ひたすら2つの練習をジムで行っているそうです。

①5.6〜5.9を、今までよりも安定させて登る練習
②リードで落ちる練習

この2つだけをやって、帰宅するということを、週2回程度繰り返しているそうです!
<ビレイ点作りの地上練習>

練習に偏りすぎという向きもあるかと思いますが、2人の中では何か思うところがあるようです。

「今まで、オートビレイで5.10aとか5.10bとかを、やや無理やり登ってきたけど、何か違うと思っていた。」
「ジムでベテランさんを見ていても、明らかに安定してレストしたりクリップしている人と、バタバタと慌てている人がいる。」
「本物の岩を登る、という観点で練習したい。」
「最近、沢登りに行ったりするが、行けば行くほど一層感じる。」

僕から見て、「たしかにそうですね。」と思う部分だけを抜粋しております。
まだまだ、本人の中でも霞が掛かったような視界でクライミングを見つめていることは、本人たちも十分に自覚済み。
<ルートファインディング中>

この問題、なかなか奥が深いです。

本気トライをすればこそ、真剣に墜落距離やフォール姿勢を考えるようになり、オブザベにも身が入り、ビレイも上達するという効果もあります。
つまり、本気トライこそが、リスク管理能力向上のチャンスという捉え方です。
そうなると、山をやりたい人こそ、低グレードであってもちゃんと本気トライができるようになるべき、ということも言えます。

(「私、フリークライマーじゃないから、オンサイトとかレッドポイントとか拘らないの。」とか言っていると、リスク管理能力も向上しない。一方で、登山とクライミングを並行して行う人は、時間的な制約から、上達速度が遅くなることに関しては、仕方ない。)

一方で、現時点の2人の実力では、「本気トライ=バタバタ登りの大幅許容」という構図を直観しているようです。

だからと言って、リードを嫌がってオートビレイに走ると、「なんだかなぁ。」と再度モヤモヤするという状況です。

<小川山の景色>

めちゃくちゃ分かります。

その直観を大切にすれば、きっと徐々に見えてくるのではないでしょうか。


そこまで考えてのことであれば、今は本気トライよりも①、②の練習+たまの講習、という流れでも十分かもしれません。

<懸垂開始>

<この日は、懸垂で色々ありました>