2020年10月23日金曜日

クローブヒッチって、ちょっと怖い

10月3日(土)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
女性FSさん、男性MKさん。

10月4日(日)は、岩場リード講習。
男性SKさん、女性HNさん。
SKさんは、今回にて岩場リード講習を卒業といたしました。
マルチピッチのセルフビレイには、メインロープを使う方法があります。
通常は、クローブヒッチ(インクノット、マスト結び、も同じ意味)です。

PASなどを腰に常備しておく方法、スリング+環付きでやる方法、ヌンチャク2本などでやる方法、などもあります。

どの方法も理解しておき、最も効率的な方法を採用したいところです。
さて、メインロープで取る場合、なぜクローブヒッチなんでしょうか?

一般的には、「セルフビレイを外さすに、長さを変更できるから。」という理由が挙げられます。
実際、便利ですが、僕自身は初心者時代に不安でした。

見た目に正しい結び目かどうか判別しにくいと思ったから、怖かったのです。
しかも、初心者の私は、頻繁に(それこそ数%という高確率で)ムンターヒッチと間違えて結んでしまうのです。
(最終のテンションチェックで気付きますけど、それに頻繁に助けられる自分どーなんだ!?という心情。)
当時読んでいた沢登りの入門者には、
「ロープの結び方を忘れたら、とにかくメッタメタにでも結べ!」という趣旨のことが書いてありました。
つまり、結び方というのは、フリクションでロープの流れを殺すことによって成立しているので、間違った結び方でも何重にもやれば解ける可能性は限りなくゼロに近いはずだ!という理屈です。

一理あるんですが、世の中には引き解け結び(蝶々結び、ミュールノット)みたいなものも存在するし、自信が無い物は何重にしても結局リスクがどんだけ減ったか未知じゃん!
と、ビビっていました。
だからと言って、クローブヒッチをやめろ、とかは全く思いません。

講習では、
「ムンターと間違いやすいですよー。」
「最悪忘れたら、オーバーハンドやエイトノットを代わりに使うこともできますよ。長さ調整はできなくなるけど。」
「それすら忘れたら、スリング+環付きでも行けますから。」
くらいは、補足します。

そして、クローブヒッチを使っていただきます。
ちょっと怖いんだけど、パーティ全員が「これはリスクだ!」と認識共有して採用することって、いくらでもありますよね。
マルチピッチは、それをどれだけ共有できているかもパーティの力量の内でしょうか。





<本日は、ここをトップアウトとします>

<落ちる練習>


<5.9をO.S.するも、リスク管理に反省点を感じたSKさん。その発言から成長を感じます。>