2020年10月16日金曜日

登れる人ほど遅いか?速いか?

9月28日(月)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性MHさん、復習参加の女性HSさん。

9月29日(火)は、ムーヴLv.0。
男性YKさん、男性NYさん。

9月30日(水)は、自分のクライミングで瑞牆大橋ルーフクラック。
2年ぶりに再訪。ムーヴばらしだけで、15時になり、力尽きて終了。

10月1日(木)は、ムーヴLv.1。
女性ARさん。

10月2日(金)は、自分のクライミングで瑞牆大橋ルーフクラック。
どうにか完登。ただし、スタートホールドのガバが、本当に皆さんと同じものかは不明。
体感グレードは、1級/初段。というか、初段はほとんど登れたことが無く、2段は登ったことも無い。
講習生との会話で、「登れる人って、登るのが早いじゃないですか?」という意見がありました。
その場の状況(長時間トライはビレイヤーに迷惑か?というセンサティブな問題との関連)などもあり、踏み込んだ議論は控えたのですが、この話はとても難しいです。
・登れる人ほど、スピーディに登る派。
①易しいルートは、余裕だから。(インストラクターや、ジムスタッフが、見本登りをする分には、それほど時間は掛からない。一般的にもウォームアップルートは、それほど時間が掛からない。ガイドや山岳会の先輩は、マルチを想定して「早く登れ!」と言う。)

②本気トライであっても、オブザベ能力が活かされ、ムーヴ選択、ホールド選択に掛かる時間が少ない。リードの所作も作業効率が良い。

③テンポ作りが上手いから。特に、レッドポイントトライなどで、ムーヴをほぼ暗記できるから。

・登れる人は、ゆっくり登る派。
①丁寧にムーヴするから。

②クライミングのリスクを知れば知るほど、浮き石のチェック、墜落距離の計算、落ちる体勢の考慮など、気になることは山ほどあるから。

③オンサイトトライで、レストしながら粘る能力に長けてくるから。ハードルートのハングドッグをするから。(作業効率は良くても、トータルの時間はそれなりに掛かる。)
どちらの意見にも、一理あります。
つまり、経験を積むと、スピーディにもなるし、遅くもなるというのが真実だと思います。
長時間リードは、仕方ないか、迷惑行為か。
正直、スポートルートからマルチピッチ、アイスクライミング、アルパインに至るまで、仕方ないことが多すぎるとは思います。

ただ、経験上1つ言えることは、なるべく平等であるべきということです。

スポーツクライマーで、長めのハングドッグを1日3便やりたいなら、パートナーもそういう感じの人と登る方が揉め事はないでしょう。
クラックで、1トライで2時間かかる(ハングドッグであれ、カムスタックでハマるのであれ)ようなことが時々起こってしまうなら、パートナーもそれを了承してくれる人が良いでしょう。
これは、山でのルートファインディングやリスク判断を大きく伴うリードであっても同じことです。

そういう意味で、「登れるようになれば、お互いに時間が掛かることがチョイチョイあるので、平等になってくる。」とは言えるかもしれません。

講習の場合、受け始めの人はまだ本気トライができないため、ある程度の不平等は生じます。
一方で、本気トライ経験が少ない人にとって、本気トライのビレイをすることは学びがあるはずなので、この不平等は「あながちマイナスとも言えない。」と感じたりもしています。

まぁ、そもそも本気トライは1トライやるかどうかで、ほとんどの時間は基礎習得、というのが講習のタイムスケジュールではあります。
<下半身も脱力してみましょう>

例によって結論はないのですが、これを機会によく考えていきましょう。