2015年8月31日月曜日

講習ルールと、本当に伝えたいこと

8月30日(日)は、岩場リード講習が中止にて、ロープワーク。
もともと受講予定の男性NSさん、加えてロープワーク希望の女性ARさん、女性KSさん。
<ARさん、KSさんは、マルチピッチ用のトラブル対処など>

講習では、原則PAS(デイジーチェーンの進化版みたいなもの)は使いません。

ボルトルートや、クラックなどのショートルートでは、上手い人で使っている例自体が稀なので、当然と言えば当然です。

でも、最近は、マルチピッチリード講習でもPAS禁止にしています。

実際、ゲレンデマルチくらいなら、PASは無い方が楽なことが多いよう感じているというのもあります。
<NSさんは、終了点の基本作業を洗練>

ただ、禁止にしている真の理由は、ちょっと違います。

初心者のうちからPASに慣れると、他の方法でセルフビレイを取ることに習熟出来ないと感じるからです。

例えば、ヌンチャク、スリングでのカウテール、メインロープでのクローブヒッチ(インクノット)。

こういった選択肢が色々とある中で、
「それでも今回は、PASを持って行った方が楽だな。」
と判断できるなら、それもアリだと思うんです。

だから、
「ゲレンデマルチでPASを持って行くなんて、卒業生にあらず!」
などと馬鹿なことは言いません。
(というか、僕は持って行くこともあります。)

ただ、
「メインロープでのセルフ、ちょっと不慣れだし。PASだと、考えることが1個減って楽だし。」

くらいの理由でPASを持って行くと、頭を使わないのでダメな習慣だと思います。
<結構、ロープワークは好きそう>

他にも、色々あると思います。

①残置無視のルールでやっているけれど、伝えたいことは“初登攀ごっこ”の精神。
そういう意味では、トポを詳しく読まないこと、先行者が居ない状態で登ることの充実感が大切かも?
<タイミング悪く、鉢合わせ>

②トップロープリハーサル禁止のルールでやっているけれど、伝えたいことは本気トライ中の安全管理や、ハングドックの方法。
③コール無しのルールでやっていますが、実際にはコール無しでも流れが読めるように常々意識すること。
だから、慣れてきたらコールありも交えて良いと思います。
(実際、コール無しが出来るパーティでも、コールした方が楽なこともある)
<最後は、フィンガークラックで身体を動かす>

少し余裕が出てきたら、教え方の意図まで汲み取って欲しいなと思います。
その方が、自分の登りに余裕が出てくるはずですから。

まぁ、でも講習生は原則初心者な訳です。
裏読みを求めるのは、私の求め過ぎなんでしょうか。
<さすがKSさんは、ムーヴが格好良い>

具体的な講習内容
午前:
・ロープの畳み方を洗練(KSさん、NSさん)
・アルパインクイックドロー、スリングの収納を洗練(ARさん)
・リード&フォローから懸垂下降への移行の流れを練習(ARさん、KSさん)
・終了点作業を洗練(NSさん)

午後:
・セカンドのテンション解除(ARさん、KSさん)
・終了点作業のトラブル対処方法(NSさん)
・登り返し(触りの部分だけ)(NSさん)

・フィンガークラック練習
<ジャミングも好きそう(笑)>