2019年8月30日金曜日

スタティックとダイナミックの境界

8月25日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性STさん、復習参加の女性Mさんと女性ISさん。
スタティックムーヴとダイナミックムーヴ。
一般的には、デッドポイントとランジが、ダイナミックムーヴの代表例です。

下の写真、スラブをトラバースしているところです。
ここで、片足バランスを作ることが出来ず、
「パッ!」と片足を移動させたとします。

これは、ダイナミックムーヴと呼ぶには派手さが足りませんが、スタティックとも言えないと思います。
この場面で、なるべくスタティックとダイナミックが分かりやすい例を挙げてみます。

この場面で、もし右足を遠くのガバ足に出すときに、片足バランスが出来ないのは承知で、「せーのっ!」で右足を広げたとします。
これは、ダイナミックですよね。

同じくこの場面で、完全な片足バランス(両手のプッシュでバランスは取るのはアリ)で、浮かせた片足をどこに置くか考えるような仕草をしたら、これはスタティックでしょう。
さて、最初に上げた足移動は、スタティックかダイナミックか?

①スタティックは、移動させる1点以外の3点での完全静止を含まねばならない。
と考えれば、ダイナミックかと思います。

②ダイナミックは、顕著な振り子運動などの運動エネルギーを利用したものでなければならない。
と考えれば、スタティックかと思います。

完全スタ、ちょいデッド気味、顕著な振り子運動などのダイナミックムーヴ、という3つ。
「ちょいデッド気味」を、どちらに含めるか、という話。
私としては、①の分類を推奨です。

ダイナミックムーヴには、安全管理上のデメリットが幾つかあり、あくまでも
「これはダイナミックムーヴなんだ!」と自覚した上で使うべきだと思います。
「ちょいデッドであれ、デッドではある。」という認識です。
<かわいい女(5.8)のリベンジ完了>

いわゆる怖がりで、一手出せずに終わる初級者を見ていると、
「顕著な振り子運動を使ったダイナミックは苦手だけど、案外ちょいデッドは出来るんですね。」
と思うことが多いです。

おそらく、ちょいデッドは運動エネルギーのコントロールに失敗しても、次のホールドをミートできることが多いため、指の強い女性などにとっては「あんまり怖くない。」と言うことだそうです。
(コントロールの成否が、指の消耗を左右はしますし、難しければ止まらないはずですが。)

こういう経験から、②としてダイナミックムーヴを分類して考える人がいるのも、理解できます。また、それを前提とした会話もよく聞きます。
<Song of Pine(5.8)をO.S.するSTさん>

言葉ばかりで、分かっていただけたでしょうか・・・。

これは、図というよりも動画とか実演が必要ですね。
まぁ、スタティックとダイナミックの境界をどこにするかは、案外大事だと思いますよ、という私の見解です。
<無事に再登するも、無知の知を感じるISさん>