2016年2月12日金曜日

終了点作業あるある

2月11日(木)は、岩場リード講習にて、湯河原。
男性FMさん、女性ABさん、男性KYさん、女性MMさん。
<梅の宴>

本日は、終了点作業の失敗例において、見本市となりました。
他人事ではありませんね。

ケースA:

結び替えの場面で、ラッペルリングを通し忘れて結び替える。

これって、家を出るときに鍵を財布から出したのに、鍵を閉め忘れて、再度鍵を財布にしまうようなものです。
「そんな馬鹿な?」
と、思うかもしれませんが、結構よくあります。

本日も、地上での練習中にその失敗をやった講習生がおりました。
ちなみに、先週の講習中も、おりました。
<梅>

ただ、この失敗には
“セルフを外す前に、テンションコールすることで、確認できる”
というチェック方法があります。

講習中、テンションの移行、と呼んでいるものです。

失敗しないことも大事ですが、チェック機能はもっと大事ですね。

※前回、今回ともに自分のチェック機能で気付けた。
<終了点作業の練習>

ケースB:

リード中に、終了点クリップを忘れて、終了点より少し上のテラスを目指す(トップアウトする)。

私)「なんで忘れたんだと思いますか?」
本人)「ボーっとしてたんですかねー。」

これまた信じがたいかもしれませんが、ジムでも岩場でも、クリップ忘れというのは時々やる人がおります。
<ムーヴ練習>

これは、残念ながら確実なチェック方法が無いため、

①常に、ランナウト具合(墜落距離の計算)を気にしながら登る習慣を身につける
②地上やレスト中のオブザベーションに、クリップも組み込むように努力する

ということぐらいでしょうか。
<暖かい>

ケースC:

結び替えのためにセルフビレイを付けたつもりが、実際にはヌンチャクにロープにクリップしただけだった。
ノーハンドで立てるスタンスがあったため、セルフビレイにテンションを掛ける必要がなく、気付かずにロープを緩める作業を進めてしまった。

これは、残念ながら本人のチェックで気付けませんでした。

ビレイヤーが、下から見て怪しんで、
「セルフ取ってますか!?」
と確認したことで気付けたものです。

本人は、付けたつもりなんですけどね。
ヒヤリハットの一歩手前ぐらいでしょうか。
<ついに、本気トライ開始のABさん>

これに対しても、ケースAと同様のチェック方法があります。

セルフビレイを付けたら、足場が良くてもなるべくテンションを掛けて作業する、というものです。
これも1つの、テンションの移行ですね。
<オブザベ>

いやはや、終了点作業も色々ありますねー。

クラック講習でも、マルチピッチ講習でも、果てはアイス講習でさえも終了点作業の失敗例の話は、よく説明する機会があります。

ときどきで構いませんので、ロープワーク講習にも参加して下さいませ。
現場で講習した方が効果は大きいけれど、作業練習を岩場でやるのも時間が勿体ないので。
<マゾおけさ>

具体的な講習内容
・終了点作業練習(結び替え)
・ムーヴ練習(片手主体のバランス、ホールドの向きに合わせること)
・リードで落ちる練習&止める練習
・実践本気トライ
ABさん:フック船長(5.10a) 2ピン目まで
FMさん:クリスマスローズ(5.10b) テンション掛けつつムーヴ解決
MMさん:マゾおけさ(5.10b) オンサイト
KYさん:マゾおけさ(5.10b) 1テン
<ラストのマントル!>

MMさんの中で、オンサイトトライが楽しくなってくる、という意識改革が起こったようです。
今までは、
「お先にどーぞ。」
「私は、トップロープで練習して、落ちそうもないルートだけでリードは十分。」
くらいの感覚だったそうで。

今回突然、という話ではなく、数ヶ月単位のゆっくりとした変化みたいです。
嬉しい限りです。