2016年2月2日火曜日

ザックを担いでもらってでも登る?

1月30日(土)、31日(日)は、雪上訓練Lv.1。

初日がAコースで、天神平での歩行訓練。
男性Kさん、新規の男性IUさん、女性ARさん。

2日目がBコースで、谷川岳登頂。
男性IUさん、女性ARさんに加えて、先月Aコースを受けた男性NMさん。
<歩行訓練>

2日目、トマノ耳に登頂してから、オキノ耳へと進みました。
オキノ耳まで、講習生の足で20分~30分くらい。

オキノ耳の方が少し高いので、谷川岳の真の山頂というのもあります。
講習としても、間の稜線が雪庇などが多かったりして、良い経験が積んでもらえると感じています。
<耐風姿勢>

その際、NMさんがオキノ耳の直前あと数分というところで、足が攣るというハプニング!
どうやら、頂上直下のハイマツ歩きが、とても苦手な様子。

治りかけたと思っても、数歩進む毎に攣りそうになるため、遅々として進まなくなりました。
実は、そこまでも怪しい傾向が何度もあったので、ここで無理すると下山で苦労すること請け合い。
<でんぐり返しからの滑落停止>

さて、敗退するべきかのターニングポイント。
私からは、2つの選択肢を提示しました。

①ザックを私が背負い、空身で登頂する。

②ここで休憩して待っていて、IUさんとARさんだけに登頂してきてもらう。
(頂上直下の数分のところなので)
<2日目>

今回のケースだと、「①を選ぶと下山で苦労するだろう。」とは思っていました。
登ったは良いけれど、救助されるように降りるというのは、歯がゆい思いが残るかもしれません。

一方で、ここまで来て引き返すというのも、もちろん残念。
<行きの肩の小屋>

私は、
「本当に、どっちでも良いですよ。」
というスタンスで聞きました。
<トマノ耳に到着!>

富士山ガイドだったら、お客さんが山の素人ということもあるんで、
「とりあえず、歯がゆい思いしてでも登っときませんか?」
というスタンスだったと思います。

クライマー相手だったら、
「もう1回、出直して来た方がスッキリするんじゃないですか?」
というスタンスだったかもしれません。

NMさんは、ちょうど中間くらいだなと思ったので。
<オキノ耳へ>

こういう場面って、富士山では本当によくあります。

あとは、子連れ登山で、子供が少し大きくなってくると頻発するようです。
(子供の場合、メンタル核心かもしれませんが)

正直、どっちもアリだと思います。
<トマノ耳へと戻る>

さて、今回のNMさんは、②の下山を選択しました。

その場では、本人の気持ちが読めなかったので、もしかしたら登頂に拘り自体が無いのかもと思ったりもしました。
<帰りの肩の小屋>

しかし、下山後の風呂で、「今回ダメだったから、オキノ耳にはまた来たい。」と話しておりました。

あー、やっぱり登りたかったんですね。
<雪崩の跡、破断面がよく見える>

登ってしまって反省するもよし、登らずに帰ってリベンジを想うもよし。

本人次第ですね。
<まないたぐら>

今回の場合、トマノ耳までは全員登頂できましたし、下山で快晴の景色も拝めました。

悔しさだけでなく、ちゃんと御褒美もあったので何よりでした。
<帰りは、快晴!>

具体的な講習内容
1日目:
・キックステップ
・ハの字、など
・アイゼン歩行
・耐風姿勢
・滑落停止
・グリセード

2日目:
天神平より、谷川岳に登頂
・休憩の取り方、ルートファインディング、などをアドバイス