3月5日(火)、6日(水)は、自分の山行で足尾。
最近、友達になったJECCのS木くんと。
足尾は、ここ数年の流行りの岩場です。アルパインクライマー諸氏が、こぞって「面白い」、「トレーニングになる」と語る岩場。
正直言って、あまり好きになれない山域だったのと、あまりに難しそうだったので敬遠気味でした。
が、S木くんを始め、何人もの友達が絶賛しているので行ってみました。
ここは、見ての通りの岩壁エリアです。
壁の中には、越沢バットレスのようにⅤ級台のラインが所狭しと並んでおります。
プロテクションは、アルパインにしては良い部類で、ときどきバチ効きのカムが取れたり。
とはいえ、リードが落ちたら死or救助隊要請ものの事故でしょう。
また、概して岩は脆く、浮石に悩まされます。
また、立木や残置下降点が少ないので、敗退のプレッシャーは強いと感じました。
(実際、2日とも敗退したので、捨て縄は使いきり、スリングも捨て、トライカムとカラビナも残置しました。)
で、2日続けてヘッ電下山まで登ってみて、
「自分は、アルパインクライマーではない」
ってことを再確認しました。
<下の写真が、我々が2日間で色々なピッチをトライした岩壁>
S木くんは、本当に楽しそうに
「いやー、こんなドライツーリングが海外のデッカイ壁で出てきたら・・・」
みたいな話をしながら、冷や汗もののピッチをこなします。
一方、私は海外遠征に興味がないこともあって、
「なんのために、乾いた岩でアイゼントレをしているんだろう?」
って気持ちが拭えず・・・。
結局、リードしたピッチは全て素手でリード。
S木先生に言わせれば、
「せっかく練習になるのに、勿体ない」
って話みたいですが。
海外に限らず、何か難しい岩壁をやりたい、ってモチベーションがあれば楽しいんでしょうね。
そういう気持ちが全くゼロとは言いませんが、モチベーションと呼べないレベル。
そんな僕には、足尾は
「少なくとも冬は、2度と来なさそうな岩場」
となりました。
まあ、あまりにも難しいので、恐怖心が強すぎて面白くないのかもしれませんが。
「そんな自分をどうにかしたい!」
って気持ちもゼロですねー。
これなら、ラッセルとかクラックの方が100倍楽しい。
冬壁は、もう難易度追求はやめます。
<S木君にリードを代わってたもらった、落ちたら死んじゃうピッチ>
ちなみに、S木先生はクライミングを初めて、2年だそう。
リードできるピッチグレード、体力がすごい新人はよく居ます。
そういう新人は、成長は早いけど、やっぱりアルパインになると5年以上の下積みがあるのが普通。
が、S木先生・・・
1日目はそんな感じでも、2日目にはカムセットも壁のオブザベーション能力も、
「あっさり、追い抜かれました!」
という一言。
リードを代わってもらい、下山でロープを持ってもらい、集中力が切れかけた私は「そこ危ないから気を付けてね」と言ってもらい。
数年したら、一流のアルパインクライマーになってそうな人です。
行動記録
1日目:
8:00 駐車場出発
11:30 ウメコバ沢の右ルート周辺を登攀開始
4ピッチまでで時間切れ
18:00 取り付き
20:00 駐車場
2日目:
8:00 駐車場出発
10:30 登攀開始
同じ岩壁の別ライン
前日より、1ピッチ上まで行って、コルで時間切れ
20:30 取り付き
22:50 駐車場
2日目が、本当に大変でした。
そして、東京までの運転も大変でした。
S木先生、お世話になりました。