3月19日(火)は、自分の山行で八ヶ岳。
富士山ガイドの先輩、廣田勇介さん。
先週と連続の渡辺ユッキーさん。
今回は、勉強になる1日。おそらく廣田さんは、日本でも屈指の雪崩に精通したバックカントリーガイド。
また、今回のルートは、クライミングルートなので、雪崩セットは軽量化しがち。
(ビーコン、ゾンデ、スコップ、スノーソー、など)
そんな条件下で、廣田さんがどんな判断をするかが気になるところです。
実は、この日の前日は結構な雨・・・。
大雪、急激な気温上昇と並んで、
私が思う
「雪崩をたいして勉強していない人でも、不安だと感じる」
条件です。
なんせ、雪は急激な変化に弱いですからね。
そして、クライミングに不慣れな廣田さんは、今回のルートはフォローでもギリギリ!
そうそう気軽には
「スコップ、ゾンデも持って行こう」
とは言えないはず(笑)。
そんな、彼の判断は・・・
①ビーコンだけは、持って行く
デブリが硬いとは限らない。遭難者が浅いところに埋まっているかもしれない。ビーコンだけは、全山行で減らせない重量と考える。
②前日までの天候を把握して、ピッケルで簡単に掘るだけでも、安定性のおおよその判断はできる。
実際、この日は雨の翌日でも、「安定性はvery goodに近い」と断定していた。
最近2週間の天気で、層構造そのものが無くなっているような状態だそうな。
③地形に関するルーファイがシビア
「今日は、very goodだから、近道優先で良いけど。」
と前置きしつつも、一番セイフティーなライン取りは、やはり私の感覚とは違っていて勉強になる。
<本日は、かなりの強風。4Pで疲労困憊です。>
また、廣田さんは
私が雪崩研修に参加したときの講師の、そのまた講師にあたるような人・・・。
彼の頭の中は、私にとってのロープワークやムーヴと同じかそれ以上に整理されている。
だから、質問されても回答もクリア。
「板を履かないと、雪崩は分からない」
「スコップを持たないクライマーには、雪崩の勉強は難しい」
などなどの真理は置いておいても、
「本当に分かっている人は、クライミングでもやっぱり雪崩の判断がある程度できる」
ということを、目の当りにしたのは良かったです。
さて、肝心のクライミングは・・・
八ヶ岳の卒業課題、いまだ卒業できず!
「本当に、もう帰りたい」
と思うほど怖いピッチを、素手になりながらリードしました。
むー、これじゃ厳冬期にリベンジなんて、まず無理。
世の中には、こんなルートをガイドしている人がいるんだから、恐ろしい話です。
でも、近場に良い課題が見つかったので、良かったです。
行動記録
4:30 美濃戸を出発
8:30 登攀開始
13:30 4P目の終了あたりで敗退決定
15:00 取り付き
18:30 美濃戸の駐車場