2014年9月5日金曜日

ピトン(ハーケン)について

9月3日(水)は、自分のクライミングにてミズガキ。
今井くんと。
<午後は、晴れる予報だと言うが>

ピトン(ハーケン)の話になると

「ピトンは、岩を傷つけるから」
みたいな話が出ます。

実際、ピトンを打ったり抜いたりすれば、細いクラックは開いてきます。
<とりあえず、1本マルチを登ってトップアウト>

その一方で、ピトンはカム・ナッツと同様に、回収が出来るから、山にゴミを残さないというメリットもあります。

実際、回収を諦めたピトンやボルトだらけになってしまった入門バリエーションの壁は、クリップするだけで登れてしまうので、
「単に、プロテクションの悪いスポーツマルチ」

みたいになってしまいます。
<今井先生には、申し訳ないほどショボイ岩塔だったけど>

つまり、冒険性という意味で言うと、

カム・ナッツなどのNPが一番、回収前提でのピトン使用が2番、最後の手段がボルト。

というのが、一般的な順位だと思います。


なので、山だったら

①オールNPが、一番美しい

②回収前提のピトンまでは、NPの延長

③ボルトを打ったら、それはゲレンデと山の中間的な位置づけのマルチルート
<懸垂しながら、綺麗なラインを探す>

一方で、小川山なんかでピトンを打ったり抜いたりすると、ホールドが欠けたり、新しく出来たりして、ルートが大きく変わってしまいます。

なので、
「ピトンしか効かない場所なら、ボルト打った方がマシかな。」

という判断が多いように感じます。

“NP&ボルト”というルートは多いけれど、“NP&ピトン”とかあんまり無いですよね。
<午後の1P目は、コケコケのRCCボルトスラブ>

よく講習生の方から、小川山やミズガキで

「ピトン打ちの練習していいですか?」
と聞かれるのですが、

「止めてください。」
と、お話しするのはこんな理由からです。

私個人の考えとしては、
①三ツ峠、越沢などの、アイゼントレーニングが行われている岩場
②沢登り、本チャンなどの、本当のバリエーション

で、ピトンの練習をした方が良いと思っています。
<びっくりするほどビショビショのシンハンドクラックをO.S.する、今井先生>

ここから、だいぶマニアックな話なんですが・・・。

ピトンの位置づけは、クライマー共通の理解であるべき。
でも、判断は人によって違う、ということです。
<1P目の終了点に懸垂下降して、隣のワイドへと>

例えば、

“NP&ピトン”というルートも、実際には高難度ルートも含めて存在するみたいです。

高難度ほど、ホールドの変化にも敏感なので、
「ピトンは、残置して全員がクリップ前提」

という形にします。

結果としては、NPルートに1本だけ残置ピトンがあるみたいで、ちょっと汚く見えるような気もします。

でも、
「100%安心に近いボルトではなく、90%の信頼度のピトンで登れ!」
「それが、自然に自分を合わせるということだ!」

という、初登者の熱い気持ちが込められていたり。
<気になっていたワイドをO.S.する私>

他にも、ピトン練習の許容範囲も

私が先に書いた①、②ではなく、
「やっぱり、越沢、三ツ峠でも岩を傷つけるのは惜しいから、②だけで。」

っていう判断もアリだと思います。
<ギアラックの左右入れ替え中>

さらに、海外に登りに行ったクライマーの話を聞くと、他にも色々な判断があるようです。

私自身は、海外経験が乏しい方なので、耳年増な感じ。
詳しくは、ロクスノとかの記録を読んでみてください。

「何が正しい。」
とは言えない世界ですが、基礎的な知識は持った方が良いですよね。
<結局、午後も霧っぽい1日でした>

具体的に登ったルート
・マルチ2本?
2本目は、2P目が2ラインの綺麗なクラックがあり、それがメインディッシュだった。

・右ライン(今井くんリード)、シンハンド
(たぶん5.11aぐらい?ただし、本日は濡れすぎて5.11cぐらいに感じた。)
※私は、カムすらチェックせずに必死に回収するだけの、お客さんフォローをしてしまった。

・左ライン(石田リード)、オフウィズス
体感5.10aぐらい。30mもある、美しいライン。
こちらは、湿っている程度。