2019年5月5日日曜日

安全のグレーゾーン

4月29日(月、祝)は、岩場リード講習にて、天王岩。
男性SKさん。

同じく、5月3日(金、祝)も、岩場リード講習にて、小川山。
男性SKさん、女性YIさん、男性NMさん、男性FMさん。
<ムーヴ練習中>

リード中、落ちてはいけない場面、というのがあります。

・ランナウトしていて、グランドフォールが確実視される
・テラスに激突が予想される
・その他、落ちた場合に怪我のリスクが大きい

反対に、落ちても大丈夫な場面、というのもあります。

・信頼できるボルトに、クリップした直後で、トップロープ状態とみなせる
・わずかにリード状態(初級者ならば膝下ぐらい)にあるが、テラスなどの障害物がなく、安全にフォールできる
<リードで落ちる練習>

安全な方を白、危険な方を黒とすれば、
「白黒はっきりさせると、自分の行動指針が決まって良いですよ。」
というのが、リードの基本だと思います。
<小川山>

白(安全)ならば
・リラックスできる
・ちょっと思い切りが要るようなムーヴもこなせる
・理想的には、ジムボルダーやジムトップロープと同じくらい頑張れるはず

黒(危険)ならば
・岩が欠けてフォールしても、大怪我だと自覚せよ
・次のボルトまで安全に辿り着けないと判断したら、下のボルトまで戻るべき
・思い切りの要るムーヴは、原則やるべきでない

白か黒かで行動指針が異なるので、クライマー本人が自分の状況を知る必要があります。
<アプローチ練習>

さて、次によくある初心者心理として。

「落ちるのが怖すぎて、ルート全体が黒寄りのグレーに感じてしまいます。」
というもの。
(本人は、ここまでハッキリとは言語化しませんが・・・。色々尋ねると、結局はこれに行きつくことが多いです。)
<スラブ練習>

グレーだと、
・落ちても大丈夫なのかな?とにかく、怖すぎて落ちたくない。
ということになります。

これが、ルート全体に渡って続くというのは、なかなか厳しいものがあります。
心理的にも、リードしたいという気持ちを削ぐでしょうね。
<リードで落ちる練習>

グレーだと感じた場合、本来どうすべきなのでしょうか?
講習生が、よくする発言や行動を思い起こしてみます。

①「ビレイされているんだから!」 、「自分を信じろ!」、「怖いって思うな!」などと、自分を鼓舞。(白として振る舞っている?)

②「怖いから、テンション出来るところまでクライムダウンします。」(黒として振る舞っている?)

①を選びがちな人、②を選びがちな人、どちらも居ると思います。
その日の気分などにも、影響されるでしょう。

ただ、第3の選択肢として、クリップ済みのヌンチャクを目視するなど、白か黒かを再度見つめ直すというのもあります。
<ムーヴ練習>

ちなみに、十分に冷静に考えても、白黒ハッキリしない場面もあります。
(大丈夫そうな気もするけど、怪我のリスクがありそうな気もする。)

この場合は、黒として振る舞うしか仕方ないでしょう。
<動画撮影>

全部がグレーに感じちゃう、というのも分かりますけどね。
少しずつ、解消して行きましょう。
実践本気トライ
FMさん:かわいい女(5.8) ハングドッグして、ムーヴ解決してトップアウト
NMさん:Song of Pine(5.8) O.S.
<白か黒か、それともグレーか>