2012年2月22日水曜日

同人化する山岳会?

2月20日(月)は、入間のベースキャンプにてリード講習6時間コース。
本日は、新規の女性WNさん。

彼女もまた、山岳会に所属しつつ、講習だけは受けに来た一人です。
どうやら最近の山岳会は、“同人”っぽくなっていることが多く、新人にはなかなか厳しい環境だそうです。

“同人”というのは、山岳会を単なるパートナー集めの場と割り切ったようなものです。

例えば、ベテランになっても新人教育などの義務も一切負わず、会山行も無い。

現在、同人と名乗っているグループは、
「それによって、ベテラン同士で、自由で、よりハイレベルな山行が可能になる!」
といった、熱い志で始まったところが多いようです。

(それが、そのまま熱い志なのか、それとも単に楽だから同人のままなのか、それは会によるでしょう。)

実際、アルパインクライミングを覚えるまでの膨大な基礎を考えると、新人が入る度に先輩をそれに付き合わせるのはなかなか大変です。

しかも、アルパインクライミングの土台が細分化しています。

上級者になるほど、
「今は、クラックやりたい」
「アイスやんなきゃ」
「やっぱり、本チャンも継続してやらないと」
「基礎は、冬山縦走」
「ボルダーやるべき」
「花崗岩が一番大事だ」

などなどと、色々なジャンルを強くしようとします。
あるいは、元々は総合的なアルパインクライマーを目指していた人が、特定の一分野にドップリはまる、ということも多いです。

でも、新人が最初に求めるのは、簡単なマルチピッチでのロープワークだったり、自分では行けない程度の雪山登山であったり。

つまり、上級者っぽい人ほど、新人にはスポーツクライミングくらいしか付き合わないのも仕方なし?
逆に、新人の面倒見が良い人っていうのは、自分自身がたいしたレベルになりにくかったりします。

かく言う僕も、プライベートではどちらの面にも思い当たる節がありまくり!
この問題に、良い解決策は思いつきません。

ただ、懐が許すなら
「ある程度は先輩に連れて行ってもらいつつ、自分でも山へ行き、さらに講習で補う」
というのが、ベストではないでしょうか?

・先輩に連れられての山行では、仲間意識も強くなり、現実的なトラブルも経験するはず。
・自分の山行では、先輩に守られないことで、一番大切な強さが身につくはず。
・講習では、確実な技術を覚えられたり、伸び悩みを解消できたりするはず。

ちなみに、自分の山行では、同じモチベーションの初心者仲間が居ると最高ですね。


具体的な講習内容
・ダブルチェック
・脱力
・ATCの落としにくい操作方法
・エイトノットの効率的な結び方、注意点
・クリップの方法(練習も)
・リードでやってはいけない事例集
・疑似リード
・落ちる練習
・最後に、本気トライでフォール!

今回は、時間切れでビレイまでは至りませんでした。

当塾では、個人で登山を目指す人はもちろん応援します。
が、山岳会に入っていて、講習を“上手く利用しよう”という方も、応援したいと思っています。

新人の皆様、どうか諦めずにしつこく登り続けてください!