2012年3月24日土曜日

アイスクライミングのムーヴ講習

3月22日(木)は、八ヶ岳にてアイスクライミング講習。
新規の女性1名です。
今回は、トップロープでの講習に付き、アイスクライミングのムーヴ練習です。

アイスクライミングのムーヴは、ジムで言えば
手自由、足自由、みたいなものです。

ジムに慣れている人なら、
「だったら楽じゃん。」
と思うかもしれませんが、傾斜の強い(70度~90度くらい)氷はパンプとの戦いです。

ナゼか?
理由は、

1、実際に危ないし、そしてそれ以上に怖さを感じる。慣れないと全く脱力できない(アックスは、ガバ、もしくはガバっぽいホールドなのだが)
2、足自由と言っても、足が良いとは限らない(アイゼンの前爪だけが刺さる以上、細かいスタンスの場面が多い)
3、アックスを振る、という 動作が時間が掛かる上に疲れる
4、ルートも、30m以上などと長いものが多い

といったところ。
ということは、以下の感じでやれば良い訳です。

1、ムーヴは、「出来るムーヴ」ではなく「最も楽で、アックスを振りやすい足位置」を意識する
(逆に言えば、手自由・足自由なだけに出来るムーヴは無限にある。)

2、 足の移動も同じように、安定して楽な足順を考える

3、フリーのレスト技術(脱力、腰を壁に近づける、良いスタンスのときは長期レスト、片足だけ良いスタンスなら中期レスト、登りながら軽くシェイクの短期レスト)はフル活用

4、良いアイゼンを使えば、スタンスが少し良くなってパンプしにくい(モノポイントで新しいと最高)

5、良いアックスだとレストが楽。良く研いであると、振る回数が減って楽。(ハンドル型のノミックなど、最高)

6、パンプしてもアックスが振れるよう、ムーヴがこなせるよう、トップロープなどでひたすら反復練習してムーヴのストレス耐性を高める

7、(リードでは)スクリューセットがパンプの原因になるので、これの練習をする。スクリュー間隔のタクティクスも大事。

8、ジムでは、持久力トレーニングを「フリーだけなら普通は必要ない」ってレベルまでやる(被った壁などで、ガバが持ってられなくて落ちるレベル・・・)
こうして書くと、割と単純です。

しかし、これがまた千里の道で、僕は未だに安定して登れるのはⅤ級程度だったりする訳です。

ちなみに、アイスクライミングで一般的に最高の難しさはⅥ級(垂直30m、など)。
それ以上は、ツララだったり、ハングしていたりして、リスキー過ぎるので僕の興味範囲外です。

とはいえ、Ⅵ級までは何とか登りたいという気もします。
具体的な講習内容
・上記の省エネテクニックを、現時点でのムーヴに応じてアドバイスしていく
(小滝を10回くらい登ってから、大滝に移動して2回登る)

「今シーズン中に、1本くらいは大きな滝を!」と考えていたお客様。
南沢大滝をノーテンションで登れて、大満足でした。

やっぱり大きな滝は綺麗ですし、登りたくなりますね。