2015年2月10日火曜日

脳内クライマー

2月7日(土)は、アイスクライミング講習にて、西上州の神津牧場。
男性HYさん、女性ARさん、女性SGさんの3名。
<アプローチをルートファインディング>

当塾講習生、特に男性陣は、座学に強いと思います。

ただ、本日HYさんが陥った失敗例は、それが裏目に出た感じ。
<下りが苦手そうなSGさん>

まず、前回までに幾つかのコツを知ったHYさん。

さらに英語のアイスクライミングの本を、部分的に和訳までして自習してくださいました。
それ自体は、講習生の鏡!
<取り付きで、ムーヴ練習>

そして、今回意識しようと思う、アイスクライミングのコツ10項目をメモして来たそうです。

で、講習の前半。
取り付きで、1mほど登ったり降りたりしながらボルダー練習。
<まだ、ぎこちない>

「意識することが多すぎて、かえって混乱」
ってのが、予想される展開。

実際は、さらにそれを上回る状態。
項目が多すぎて、何をメモしたか思い出せなくなってしまったんです!

※それを、面白おかしく語ってくれるHYさんは、さすがでした(笑)。
<おっ、安定した形になりました>

子供のころにスキーをやっていたARさんからは、
「1つずつじゃなきゃ、無理ですよー。」

という指摘が飛びます。
<アイゼンの前爪を伸ばした成果で、悪い足に立てる様子>

情報が多くなると、どうしても意識が分散しやすいもの。

その対策って、難しいものですね。
特に、皆さん座学に強い上、ネット社会では情報が溢れておりますからね。
<初リードするHYさん>

私個人の対策としては。

①あえて情報をシャットアウトしたりして、情報量を自分の経験に見合うようにセーブしてみる

今回の例だと、10項目知ってしまうと、1~3項目だけ意識するのがかえって難しい。
ただ、10項目知った上で、特に自分に重要そうな1~3項目を選ぶ方が、私より賢い人かも。
<トップロープの本気トライでフォールしたARさん。この後、執念のトライで完登>

②ウォームアップのうち、最初の10分くらいは、なるべく無心でリラックスすることだけを心がける

自分自身ぎこちないのに、意識することが増えても、経験的に混乱しやすい。
<そうは言っても、登りは上手いHYさん。難しめの滝でも疑似リード>

今回のことは、スポーツにおける情報過多の例でした。

でも、これって登山技術も同じだと思うんです。
天気予報なんかも、情報過多の傾向じゃないでしょうか。
<全体的にレストが上手くなったSGさん>

「情報に見合うだけの実践とか、考える時間があって、ようやく経験になる。」
という、ごく当たり前の結論です。

ただ、情報が全くないと、実践しても体験にしかならなかったり。
それはそれで、ダメ。

色々なタイプの講習生がおりますので、勉強方法&結果を毎日のようにサンプリングしている私。

「なるほどねー。」
と、いつも思います。
<全員、それぞれの課題で完登!>