2015年2月20日金曜日

強引なムーヴでも、突破すべきか?

2月19日(木)は、リード講習2回目&3回目。
女性HKさん、後半のみ男性ENさん。

本日は、クライミング練習方法の中級編。
専門的なので、初心者は御容赦あれ。
ジムのクライミングは、スポーツクライミングの典型的なものなので、基本的には落ちるまで頑張るものです。

ただ、最後の本気トライでHKさんが見せた戦略は、その真逆。
しかしながら、かなり洗練されていたので参考までに御紹介。

①足位置に迷ったら、すぐにテンション。
→ テンション後、スタンスの見落としが無いかをチェック。
→ 最適なスタンスを見定めて、そのムーヴを実行。

②また、足位置に迷う場面になったら、すぐにテンション。
以下、繰り返して、テンション掛け掛けトップアウト。

こうやって、1つのルートに対して、もっとも無理のないムーヴを探っていくものでした。
強引なムーヴで突破することは勿論、パンプするまで粘るようなことも、極力しないタクティクスです。

ちなみに、HKさんは最近初段を登ったボルダラーで、トライしたルートは5.10cなので、強引なムーヴでも十分に突破可能だったと思います。
このトライ方法のメリットは、1つのルートで最大限にムーヴの勉強をしていることです。

彼女としては、5.10台くらいは、全て無理のないムーヴで登れるようになるだろうというイメージがあるのだと思います。
(彼女の場合、ボルダーっぽい全開ムーヴを封印してどこまで登れるかを試行錯誤中なので、これはこれでアリかと思いました。)

デメリットとしては、自分にとって難しいルートを一撃で登れる可能性を、ほとんど捨てていること。

例によって、場面場面での使い分けですよねー。
HKさんの方法は、ベテラン勢がレッドポイント戦略に使うことが多いです。


参考までに、私はこんな意識でやっています。

①ワンテン(1回目のテンション)までは、多少強引なムーヴが混ざっても、完登の可能性が高い方を優先。
とはいえ、なるべく無理のないムーヴだけで登る意識は強くある。

②-A
それで、完登できたら、ロワーダウンしながら

「あそこは、強引だったなー。」
と記憶している場所を、無理のないムーヴが他になかったか試す。

②-B
それで、完登できず落ちたら、以後は次のトライで完登するためのリハーサルと割り切る。

「そこ以降の、全てのムーヴを、無理のないムーヴだけで完成させよう。」
「可能なら、落ちた場所より下のムーヴも、強引だった箇所を修正しておこう。」

という流れで、強引なムーヴを減らすことが、ムーヴ勉強とレッドポイント戦略を兼ねるようにする。


ちなみに、これはボルダーでも、クラックでも基本的に同じ。


まとめると・・・

スポーツクライミングでも、山でのクライミングでも、やっぱり一撃は大事だと思うので大切にして欲しいです。
その一方で、強引に突破しちゃった箇所を放置しない意識もあると、さらに良いと思います。