2015年9月29日火曜日

右往左往を楽しむ

9月27日(日)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
男性SRさん、男性FKさんの2名。
<どこから取り付こうか?>

マルチピッチの魅力の1つは、頂上を目指すことです。

簡単なピッチを、グイグイ高度を上げるのも気分爽快でしょう。
でも、当塾講習生はマルチピッチ初心者なので、ロープワークもルートファインディングも素早く出来ません(笑)。
<登攀準備>

ただし、クラックリード講習から順に受けていただいている分、1ピッチにおける安全管理能力や、本気トライのノウハウは、ちょっと光るものがございます。

そんな訳で、トポ無視で登ってもらっても、ルートファインディングを楽しむくらいの余裕があるのです。
<クラック混じりの緩傾斜帯>

もちろん、初心者なのでライン読みは頻繁にハズレくじを引きます。

ただ、少し慣れてきた2人は
「中央のスラブ~クラックが面白そうだな。でも、クラックに辿りつく前が怖すぎたら、右のブッシュ混じりのクラックもありかな。」

というプランAとBを話しあえます。
<システム面に、まだ課題あり>

で、実際にAとBの分岐点から、どちらのラインも様子見。

さらに、プランAのラインを試みて、途中敗退。
次に、プランBで無事突破。
(行ってみると、見た目よりはヤブっぽくなくて、楽しめる内容だったり。)
<立木混じりのクラック>

という流れで、身体と頭を両方使ってのルートファインディングです。

これを、1ピッチずつ重ねて、稜線へと出て行きます。
<稜線へ>

また、当塾講習生は、一般のマルチピッチ初心者よりは少しばかり登れる方だと思います。
(特に、クラック)

ですから、今回も頂上直下に出てきたクラックを見事に完登!
<楽しい一時>

隣で、このクラック手前から懸垂下降する他パーティを横目に、さらに頂上へ近い高みへと進むことが出来ました。
<マルチピッチ中でも、適度な攻めの姿勢を身につけて来たSRさん>

ちなみに、このクラックが短い割に意外と面白く、フレアーハンドの好課題という気もします。

2人とも、ビックロック日吉で登り込んでいるだけありますねー。
<完登!ただし、カムが上向いちゃってます。>

マルチピッチの魅力は、こうやって右往左往しながら答えを探していくことにあるように思います。

グイグイ高度を稼ぐのも楽しいんだけど、こっちの方がより奥深い楽しみがあると感じます。
1日に数ピッチしか進まないこともあるマルチピッチリード講習ですが、得られるものはピッチ数では測れないと思いますよ。
<FKさんも、フリーで突破>

今回は、2人にとって丁度良い難しさだったようです。

右往左往が楽しいとは言え、結果が敗退だとちょっと悲しいですからね。
5割~9割方登れるだろう、というルートを選ぶのは、こちらの問題です。

さて、次回はどこにしましょう。
<本日は、ここで完登とします!>

ちなみに、カムが上を向いてしまった原因は、

・カムを蹴った
・ロープの流れでカムを引っ張り上げた

のいずれかだと思います。

上を向いたら効かなくなるパターンもあるので、気をつけましょう。
<懸垂下降>

<余った時間で、スラブ練習>