2015年9月24日木曜日

男女のイコールパートナーを目指せ

9月21日(月)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
女性MTさん、男性OGさんのペア。
<ビレイ点作り練習>

男女でパートナーを組むことは、とても多いパターンです。
話し合いも丸く収まりやすいのか、お互いに優しくなれるのか、得意分野の違いで相補的なのが良いのか?

これ自体、メリットは大変大きいと感じております。
実際、私も半分以上は女性と登っているような記憶です。
<勉強熱心>

ただし、今回は敢えてデメリットを意識して欲しいなと。

例えば、雪山。

私は、料理が元々好きではありません。
で、パートナーが食事当番をしてくれるなら、こんなにありがたいことはありません。
ただ、こうなるとパートナーばかりが山での炊事に強くなります。

私は、ときどきしかやらないので、結局はレトルト的なものから進歩しません。
一方、パートナーは少しずつ進歩していたりします。
<1P目は、レディファーストで>

逆の例は、地図読みです。

私が先に歩いて、地図を眺めながら待っていたりするので、パートナーが到着する頃には判断済みです。

「こう思うんだけど、良いよね?」
という確認程度しか会話しません。

これで、私は地図読みスキルが上がって行きますが、パートナーはほとんど上達しません。
<2P目>

つまり、弱点を補いあっていることが、弱点克服の妨げになっているというパターンです。

クライミングに限らず、職場や家庭でもありそうな話ですね。
<乾いた岩も気持ちいい>

さらに、これが続くと、スキルに差が出過ぎて悪影響が出て来ます。

地図読みに失敗しても、パートナーが相談相手として役立たずという事態。
もちろん、これには私にも責任があるので、文句は言えません。
<こんな話し合いを続けて欲しい>

また、スキルの差が大きくなると、話し合いも意味がなくなり、スキルが高い側も成長がストップしやすいという問題も。

もちろん、座学や講習でも補えますが、パートナーという視点からの指摘は、多少のスキル差があってもありがたいはずです。
<複数ピッチは、実質初めて>

で、クライミング講習のメインは、

・クライミング能力
・安全管理能力
・それらを含めた判断力

といった、男性有利な科目が並びます。
(ラッセルとか、ボッカに比べれば、逆転する例は多いので、僅差なのかもしれませんが。)
<小川山は、やっぱり快適>

そういったことを踏まえて、私から何が出来るかは、日々の試行錯誤です。

講習生同士でも男女ペアは多いですし、せっかく相性が良いのにパートナー解散は勿体ないですから。
そもそも、夫婦だと解散はリスクです。
<ここで完登、と自分たちで決定>

で、年々ハッキリと打ち出しているのは、講習内容は女性を中心に行った方が良いということです。

ビレイ点作りなどのシステム系は、女性が理解できるまで反復。
リードや懸垂下降のトップは、女性が回数多め。

こうやって、練習機会に差を付けるくらいで、ちょうど話し合いが面白いレベルになるのではないかと思っています。

そして、女性にも自立心がある状態で、クライミング人生をスタートさせて欲しいなと。
<懸垂下降もレディファースト>

ただし、このやり方。
女性の練習量が増えるので、結構ガッツが要求されます。

そして、男性には待ち時間に耐えるだけの忍耐力が要求されます。
あれ?
忍耐は、本来は女性の得意分野でしたっけ?

頑張って欲しいです。
<ロープも絡みまくり>

ちなみに、不利を補う意味では、女性の方がロープワーク講習やムーヴ講習、あるいは岩場リードやクラックリードの復習に参加するのをオススメいたします。

クライミング能力や手際の差が小さければ、一緒に判断する時間も作れますよ!
<ギリギリ、明るいうちに降りられました>

ちなみに、男女ペアを推奨している訳ではありません。
男同士、女同士も、色々な可能性があると思いますよ。