2018年9月5日水曜日

攻めた結果

8月30日(木)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
男性NSさん、女性IUさんのペア。
最初に、本日のクライミング結果。

<オブザベ時点>
残置無視、トポ無視ですが、この岩場周辺には来たことがある2人には、おおよその岩場概念は理解しています。
岩峰の高さは50mほどなので、3~4P程度でトップアウトできそう、という見込み。

<実際のクライミング>
1P目:NSさん。
スタート地点は話し合いで決定。ただ、途中のラインが分岐しており、迷いつつも1時間以内に完了。

2P目:IUさん。
ビレイ点そのものが複数ラインの分岐点になっており、どのラインでも選べる状態。迷った結果、少々難しそうだが、クライミング的に面白そうなピッチを選択。結果、ハングドッグしても、少々のエイド混じりで抜けようにも苦労して、エイドで敗退。
(危険な目には遭っていないが、時間的にはドハマり、という状況。)
修正2P目:NSさん。
別ラインに進むことに。とりあえず、15mほどは易しそうなクラックを登り、ピッチを切る。

3P目:NSさん。
ハング帯をかわすラインを複数検討して、エイド混じりでトラバースして切り抜けるラインを発掘。「もうすぐ岩峰の頂上近いだろうな。」という雰囲気の立木まで。
フォローも、エイド混じり。

で、この日は時間切れ。これにて、懸垂下降開始でした。
今回は、比較的難しめの岩峰を選んだので、現状の2人がオールフリーで抜けるラインを探すのは、相当なルートファインディング能力が必要だったとも思います。

なんで、「最悪、エイド混じりでも抜けようか。」となった最終ピッチの判断は、問題ないと思います。
さて、IUさんが悩んでいたのが2P目の処理。

ショートルートの長時間ハングドッグみたいになって、尚且つエイドダウン敗退。
突破すら出来なかったことを、後悔しておりました。

「こんなんだと、トップアウトは出来ない。」
「登りそのものを楽しむなら、ショートルートでやるべきことだし。(マルチは、上に抜けたいし。)」
まぁ、確かにそうですね。

3~4Pのマルチピッチとは言え、上限を「オンサイト出来そうな見た目のライン」ぐらいに設定していくと、順調に登れるとは思います。
現状、講習生がコンスタントにオンサイト出来るのは5.8~5.9(得意系なら5.10前半?)ぐらいですから、それ以上に見えるやつは、避けた方が無難かもしれません。
その一方で、私はIUさんが凄いとも思います。

ってのも、この講習だとグレード目隠しでオンサイトトライしているようなものです。
だから、私から見ていてオンサイト出来そうなものでもビビって取り付かない講習生が多数派なのです。

実際に見立て間違いで難しいラインに突っ込んじゃうこともあるので、怖がる気持ちはよく分かります。
それならそれでエイドすれば良いはずなんですが、「怖いものは怖いです。」と言う人も多いです。

もう1つの心理として
「マルチは、怖いの嫌だし。(高いというだけで、すでに怖いので、ショートルートのビビりまで一緒に抱えたくない。)」
というのもあります。
結局、何が言いたいかと。

今回は確かに失敗かもしれませんが、そのエイドダウンを恐れずに取り付ける気持ちに、私は将来性を感じます。
とはいえ
「時間かけすぎてスミマセン。」
モードで、他のピッチのリードを全てNSさんに譲るというオマケで終わりました。
そうなると、本日はIUさんは一度もリードを完遂しておらず、ちょっと残念そうではありました。

結果は残念。でも、未知へと向き合うポテンシャルは感じる。
私の見立ては、そんな感じです。
まぁ、最終ピッチをエイドで抜けたNSさんも、結構タフですよねー。
実際、このラインは既成ラインじゃないですし。
よく頑張ってくれました。