8月3日(土)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性FSさん、女性FIさん、女性KB。
今年も、富士山で3週間ほど働いて来ました。色々と思うところがあったのですが、その中の1つ。
毎年、それなりの人数の新人ガイドが誕生します。
もちろん、その研修にも関わります。
そこで、新人ガイドであっても知っておいて欲しいこと、判断の基準となる考え方は多岐に渡ります。
普段の講習とは異なり、何でもかんでも伝えたくなってしまいます。
実際、1年目であっても責任ある仕事は任せられますので、こちらも老婆心が満開です。
しかし、知識を詰め込みすぎたり、ルールを強制しても、あまり意味がないと感じる場面も多々あります。
自分を振り返っても1年目は全くダメだったのに、というようなことも教えたくなります。
自分と同じ失敗をさせたくない、という心情です。
反対に、自分が1年目から出来たことは、「なんで、そんなことも考えないで行動しちゃうの?」ぐらいの強い口調をグッと堪えるという場面もあります。
そういうとき、そもそも教えるって何なんだろうとボンヤリ思います。
・自分の経験則を伝える ⇒ 結局、失敗しないと分からないことも多い。
・何も伝えず、見守る ⇒ 経験が伝達されず、先人の失敗を繰り返す。
という2つの対立の中で、「そうは言っても、経験や知識を上手く伝えるための努力はすべし。」という当たり前の結論に、何度も何度もぶち当たります。
実際、5年前とかと比べても、今の方が1,2年目のレベルが高いような気がするので、あながち的外れでない努力は出来ているのでしょう(笑)。
この“上手く伝える”というのが、
・理由を説明すること
・疑似体験させること
・経験則の公式部分だけを暗記させていないか、自問自答すること
・本人が考えるための時間や問いかけを与えること
・何人かで一緒に考える機会を作ること
・教え過ぎ、タイミング、などに注意すること
などなどの様々な方法があるんだなと。
いや、これも当たり前すぎる結論で、それこそ遥か昔の先人が出した回答なんでしょう。
それを知識としてボンヤリと学んだからこそ、いま実感できている訳ですから、習っておいて良かったです。
今回も、帰り道で教え方やら、山岳会での先輩後輩関係などについて色々話を聞いていたので、こんな話になりました。
教えることを職業にしなくても、教えるっていうのは誰しも身近な場面ですからね。
さて、今回でFSさんとFIさんは、岩場リード講習を卒業といたしました。
とはいえ、クラックだけでなく、まだまだスラブも学びたそうでしたが。
では、引き続きよろしくお願いします。