12月13日(火)は、越沢バットレスにてマルチピッチ体験講習。
今回は、常連男性のKBさん。
KBさん、今回が本格的なマルチピッチは始めてです。
そして、結構恐がりな彼は、一度はクライミングを辞めようと思ったこともあります。
その後、講習を受け始め、少し上手くなった頃に肘を痛め、クライミング中断・・・。
最近になって再開して、ようやく登る喜びを実感し始めたそうです。
実は、僕も高いところが苦手なので、学生時代のクライミングは義務感以外の何ものでも無かったような・・・。
そして、70mの岩壁もあと10mというところ、最後の難しいセクション登場!「えーっ!これ、登るんですか!?」(KBさん、明らかに高さにビビり気味)
「~~すると登りやすいですよ。」(私)
「ちなみに、今まで一度もロープ掴んだりしてませんよね?」(私)
「はい。とりあえず。」(KBさん)
「じゃあ、最後までオールフリーで行きましょう!」(私)
「厳しいーー。」(KBさん)
まさに、下の写真がその核心部分!
根性根性、ド根性!
最後まで登りきったKBさん。
ラスト数mは易しいため、もはや感無量で登って来たそうです。
クライミングを辞めようと思ったこと、続けようと講習に参加したこと、初めての岩場、自主練習で痛めた肘、その後の病院探し、そして再開。
まるで、9回裏2アウトの甲子園児のようです。
そして、トップアウトしたところでは、ゆっくりと休憩。
リードではありませんから、一般的には成果とは呼べないかもしれません。
ただ、彼にとってはロープを掴まず、ぶら下がらずに来ることだけで、最高の自力達成感を得たのです。
怖さと戦ったのは彼自身ですからね。
“自力で登った感”というのは、最終的には自己満足です。
オールフォロー&オールフリー。
今のKBさんにとって、これが最高にエキサイティングなスタイルだったんでしょうね。
一般的かどうかなんて、本当はどうでも良いことです。
単なる講習ではなく、最高のクライミングでしたね。
具体的な講習内容右端の3級を3回登って基礎練習後、ど真ん中の3級クラックから一般ルート(3ピッチ)をクライミング!
・アルパインクイックドローの作り方
・ギアラックの整理方法
・カムの回収方法
・コールの流れ、コール無しの流れ
・クローブヒッチ(インクノット)の片手での作り方
・カウテールの作り方
・常に何かでビレイされているべき、という感覚(セルフビレイ、フォローのビレイ、懸垂下降の自分の利き手、などをスイッチしていく)
・フォローはリードの補助をする、という感覚
良い一日でした。