2012年5月7日月曜日

天気予報が悪い中、とりあえず山へ

5月4日(金)、5日(土)は、自分の登山にて北アルプス唐松岳。
K島嬢、UDさんと。
今回は、唐松岳周辺の岩場、通称「不帰(かえらず)」でクライミングをする予定。

が、天気予報は、もの凄く微妙・・・。
町は「晴れ時々雨」くらいの日が2日間、山ではその日も悪いことが予想される天気図。

まあ
「可能性があるなら、行くだけ行って敗退してきましょう!」

という僕の押しに負けた(?)面々。

入山前から、高速道路や麓でも天気雨がポツポツ・・・。
スキー場を越えて入山しても、晴れたり雨が降ったり。
しかし、意外と入山者はおりました。

スキー場から山頂往復の、一般登山者がほとんどですが、クライマーやバックカントリースキーなどの面々も少々。

しかも、スキー場もわりと人が多かった。
皆さん、GWだから気合い入っているんでしょうか?

まあ、僕らも同じですけど。
予定していた幕営場所に着く頃には、かなりの強風!
しかも、ときおり雨が・・・。

風が少しでも避けられるようにと、場所を選び、さらにそこで防風ブロックを積んでいきます。

本当は、雪洞でも掘りたいくらいの悪天でしたが、ここは雪が少なかったために無理。
数年ぶりに、人の背丈を超えるほどの防風ブロックを積み、テントに逃げ込みます。

しかし、いよいよ風は強まり、防風ブロックはドンドンと崩壊・・・。
テント内の風上で座っていたK島嬢には、防風ブロックが飛んできて、度々どつかれる始末!

「こりゃあ、翌日のクライミングもやっぱ無理かあ。」
と、諦めながら就寝。

一応、夜中の2時に起きるも、風雨は変わらず。
(この日は、白馬の麓でも相当な荒れた天気だったそうです・・・。)

諦めて、5時に起床しなおして、山頂だけでも踏んで帰る方向に。
幸い、出発する8時前には、テント場周辺は空も明るい!

上の写真は、
強風対策のために、テントからポールを抜いて、テントの上にブロックを敷いたところ。
とりあえず、歩き出しは強風にさえ耐えれば、問題なし。

むしろ、前日に濡れたヤッケ類が、曇りの強風で乾いて有り難し。

でも、こんな日に怪我してビバークしたら、ツエルト持ってても、たぶん死んじゃうでしょうね。

(実際、お隣の山「白馬岳」では、6名グループが全員凍死したそうです。
が、これは怪我が原因とかではなく、元々の装備不慮の模様。)
 
山の上は、まだガスの中。

ガスの下でも強風なので、ガスの中は前夜に堪え忍んだ風雨であることは、容易に想像できます(笑)。
ちなみに、彼女には日焼け対策の「付け鼻」がついております。

サングラスとセットだと、完全に米国風のコメディアンです。
最後の登りは、やっぱり強風!
でも、案外雨はほとんど浴びずに山頂へ!
山頂に着くと、運良く晴れ間が出始めました。

下山は、どんどんと晴れてきて、風も弱まって来る一方!
当初予定だったクライミングルートの数々も、見渡せます。
が、残念ながら、雪は大変に悪そうでした。

率直な感想は、「シーズン末期の谷川みたいだ」

シュルント、雪庇が異様に発達した細い雪稜。
岩に乗ったブロック状の雪の塊・・・。

経験値が無いと、何が悪そうなのか分からないかもしれません。
経験者には、モチベーションよりも、気持ち悪さが想像される状況。
翌日は、いよいよ下界でも天気が崩れる予報。
しかも、雷警報まで出ておりましたので、もう下山するのみ。

ただ、ここ八方尾根は超人気ルートだったらしく、往復でなんと1日に100人くらいの登山者とすれ違いました。
みなさん、こんな微妙な予報の中、根性あるのか、よく分かってないのか?

悪天の谷川、八ヶ岳、甲斐駒、、GWの剱岳、あたりでは信じられないような登山者数だったのが印象的でした。

(体感的には、冬の悪天で、ギリギリ登れる天気の日は、登山者数は10分の1くらい。
また、それが安全上も妥当なように感じます。)
ちなみに、テント場周辺は晴れだったらしく、戻ってくるとテントに敷いたブロックが溶けまくり!

テント内がプールのように水たまりになって、悲劇的でした!
行動記録
1日目
13:30 スキー場トップを出発
14:30 八方池周辺にて幕営準備開始
16:30 ブロックを完成(?)させて、テント内へ

2日目
 2:00 起床するも、風雨が強く、クライミングは諦めて二度寝
 5:00 起床。雨は弱く、強風のみ。
      山頂ピストンに決定。
 7:40 出発
10:10 唐松岳山頂
11:50 テント場に帰着
12:50 下山開始
13:30 スキー場トップに到着

一番感じたのは

「僕にとって、山で人と沢山会うことは、面白さが激減する。全力を出すかどうかの難易度よりも、人が少ない山に、できるだけ情報を少なくして行くことが最重要。」

そういう意味では、この山行よりも不動沢合宿の方が“楽しい山の時間”かもしれません。
でも、風雨に耐えてテント内に居るときは、実はちょっと楽しかったり(笑)。

山、感じますね。
ところで、UDさんの食事担当は凄かったです。

見たこともないような拘りの食材が散りばめられ、風雨の中の「ビストロUD」を堪能しました。