5月19日(土)、20日(日)は、小川山にてスラブ&クラックの2日間。
常連女性TZさん、2日前にリード講習を終えたばかりの女性WNさん。
今回は、“岩場リード”、“クラックリード”などの的を絞った講習ではありません。TZさんから
「スラブのリードが出来ない」、「小川山のクラックを経験したい」
という2つの希望があったことによる、プライベート講習。
WNさんは、その公募に参加して、質問などをしながら“岩場リード”講習の内容をなるべくモノにして帰りたいという目論見。
さて、成果のほどはというと
TZさん
①カム抜けフォールを経験できた
②5.8のクラックを一撃できた
WNさん
③リードの墜落距離を計算して、ビレイが出来るようになった
④リード講習の内容を、大部分は聞いて帰ることができた
それぞれについて、改めて解説します。
まずは、TZさん。
①カム抜けフォールを経験できた
TZさんは、リード中、プロテクションよりもムーヴに夢中!
カムのセットが甘かったり、カムセットを忘れて登ったり、といった癖がなかなか抜けません。
この癖、性格そのものですから、そう簡単に治るものではありません。
ちょっとしたパニック状態みたいなもので、本当の危険より、高さの恐怖とかの方が気になる訳です。
しかも、いくら私が
「甘効きのカムは、手で引いたくらいじゃ抜けなくても、テンション掛けたりしたら抜けることがある」
と話しても、やっぱり実感が沸きにくいもの。
TZさんに限らず、誰でもです。
手で引っ張ってみて大丈夫なら、半ば安心して登ってしまいます。
それが、本日
「カムで落ちてみましょう」
という課題で、見事にスッポ抜け!
もちろん、カムの1.5m下にはハンガーボルトがあったので、大きな怪我はありません。
それでも、落ちた瞬間に体を岩にぶつけたのと、「自分が信用していたカムが抜けた」という精神的ショックは大!
ただ、これによって翌日のカムセットは慎重そのもの!
墜落距離も意識して、かなり「本当の危険」に向き合うことが出来た登りだったと思います。
やっぱり、体で覚えるのが一番!?
②5.8のクラックを一撃できた
これは、単純なクライミング能力の成長として嬉しいところ。
フラッシュの最高グレード更新です。
小川山のマルチピッチ入門では、南陵神奈川、大貧民ルート、セレクション、なんかはクラックの5.8が一撃できることが挑戦権となります。
次に、WNさん。
③リードの墜落距離を計算して、ビレイが出来るようになった
これは、2日前のジムでのリード&ビレイ講習では、完全理解していなかった様子。
TZさんに、しつこく落ちる練習をしてもらう中で、墜落距離が読めるようになって来ました。
お陰様で、グランドぎりぎりのムーヴ中などは、リードしている本人よりも緊張しているくらい!
「なんとか頑張って、グランドさせないように出来ないか?」
という意識が伝わってきて、なかなか良いビレイヤーです。
④リード講習の内容を、大部分は聞いて帰ることができた
ヌンチャクの向き、終了点の使い方(結び替え、懸垂下降)、ボルトの見分け方、捨て縄の使用方法、などなど。
TZさんが、体調イマイチだったこともあり、長め休憩時間を利用してマンツーマンレッスン。
結果的には、一通りの内容をサラッと流すことが出来ました。
下の写真は、TZさん。
ハコヤ岩の“森林浴”(5.8)を一撃!
カムの慎重さと、ちょっとした思い切りを兼ね備えた、良いクライミング。
WNさんも、トップロープながら一撃!
初めてのハンドジャムも使って、ギリギリの頑張り。
具体的な講習内容
・上記の通り
1日目:スラブ状岩壁
2日目:ハコヤ岩の森林浴(5.8)
TZさんリーダーで、WNさんがフォローしてマルチを登るのが、当面の良い目標かもしれませんね。