2013年6月6日木曜日

“コールなし”は、意外と便利

5月24日(金)は、越沢にてマルチピッチリード講習。
またも、有給休暇にて参加のYZ夫妻。
マルチピッチでは、コールというものがあります。

リードとフォローが離れた場所で

「ビレイ解除ぉー!!!」
「ロープ、いっぱーい!!!」
「登って良いよぉー!!!」

って、やる合図です。
当塾のマルチピッチ講習では、基本は“コールなし”です。

よく驚かれるんですが、特に問題ありません。

以下に、その理由。
①実際のマルチピッチ、沢登り、雪山などでロープを出すと、声が聞こえない場面が多い。

したがって、声が届かない場合の流れは、練習しておかねばならない。
②実際にやってみると、動きは単純。

・ビレイ解除をするタイミング
明らかに、ロープをグイグイと引き上げていると感じるとき。
判断つきかねるなら、ロープいっぱいのあたりまで、念のためにビレイ。

・フォローが登るタイミング
ロープがいっぱいになり、グイグイと引かれたら、登るしかない。

ただ、この際に、「まだビレイ器をセットしてないんじゃないか?」という怪しい動きを感じたら、ちょっと待つ。

怪しい動きの例:
・赤ロープは引かれているが、青ロープはいっぱいになっていない。
(2本まとめて引いているかも。)

→ビレイ解除して、セルフビレイはつけたまま待機してみる

・ロープが、いっぱい付近で、緩んだり張られたりする。
(リード中に、ロープいっぱいになってしまい、ビレイ点を探してウロウロしているかも。)

→ビレイ解除したものを、もう一度ビレイして待機してみる
③コールあり、なしでの、時間の早さを比べると・・・

1位:コールがよく聞こえる
2位:コールなし
3位:コールがよく聞こえない中で、頑張って呼び合う


で、ベテランになるに従って、コールなしでも「コールがよく聞こえる場合」に近いスピードが出るようになります。


そんなわけで、私の知る上級者の方々は、

「基本はコールなし。ときどき、頑張って叫ばなくても良いくらいの近さなら、コールするときもある。」

というスタンスです。
それに、

④混んでいるゲレンデでコールすると、他パーティーのコールと聞き取り間違いやすい

という点もあります。
最初は、不便に感じるでしょう。

でも、パートナーの動きを察知するという意味でも、なかなか良い練習になりますよ。
具体的な練習内容

・シングルピッチのリード&フォローから、懸垂下降の練習(旦那様、奥様、それぞれ2回ずつ練習)
・2ピッチのルートを、1ピッチ目を講師リード、2ピッチ目をYZ旦那様リードで
終了点が立木の場合なら、基本的なリード&フォローの流れはO.K.ですね。

次回は、複数支点を連結したビレイ点(固定分散、など)ですね。