今夜から、6月分の予約受付開始です。
上書きしてしまうので、念のため。
4月27日(日)は、マルチピッチリード講習にて、越沢。
女性HMさん、女性HSさん。
最近の自分を振り返って、初登攀ごっこの魅力を伝えるのに、少々押しつけがましくなっていたと思いました。
反省を込めて、赤裸々に書いてみようと思います。
今回の講習の話そのものじゃなくって、2人にはすみません。
専門用語の連続ですので、マルチ講習以前の方には、申し訳ありません。
<まずは、システム練習>
これに、トポ無視を加えると、あたかも
「あなたが初登者で、この壁を登るなら、どこが良いですか?」
と問いかけられているようです。
<オンサイトリードで先読み練習>
そこで、
“初登攀ごっこ”
と講習では呼ぶことにしています。
<メモ派の2人>
例)
①クラシックなゲレンデのⅣ級~Ⅴ級ラインは、ピトン主体の時代に初登されているはず。
したがって、カムで登る時点で、全く別物。
②当時は、登山靴。
③登られているラインっぽいってことは、トポを見なくても、なんとなく分かってしまうことが多い。
残置がある、草が少ないなどで岩が綺麗。
ただし、講習生はそれを見抜けないことが多いので、十分に初登攀ごっこという気もする。
④ゲレンデとして整備する、という意味で、積極的に草刈り、苔落としなどの掃除をしてくれた人がいる可能性もある。
クラシックなゲレンデよりも、小川山、ミズガキなんかのマルチだと、むしろそうしないと登れないラインが多い。
(ショートルートなんかは、ほとんど土木作業で開拓されたという歴史がある場合も多々。)
実は、私も講習中にクラック内の泥なんかをナッツキーで掻き出したりしています。
「次回講習時に、講習生がカム決めるポイントが増える・・・」
などと、初登攀ごっこの精神に矛盾したことをやっています(笑)。
<やや難しいピッチ>
「あそこなら登れそう!」
という具合に、初級者なら初級者なりに楽しめます。
マイナーな沢でのちょっとした滝にせよ、もともと掃除不要なクラック(海岸、稜線など)にせよ、冬壁のしょぼいラインにせよ。
本質的には、色々考えながら危険すぎる事態に陥らないように登る、という遊び方です。
で、この遊び方自体はオススメなんですが、あくまでスタイルであって強制は出来ません。
自分で考えて登る、ってのはクライミングの大事な要素だと思います。
でも、それが残置を使っても、トポを読んでも、ある程度は達成できるはずなので。
その意味では、
・詳しすぎるトポは、避ける
・そのエリアに精通した先輩に連れて行ってもらうのは、避ける
なんかのチョットしたことでも充分だと感じる人もいるでしょう。
<懸垂下降>
私も、某ゲレンデで残置ピトンとリングボルトを結構抜いたことがあります。
すぐに私だと分かったようで、知り合いの先輩から、こう言われました。
「あのピッチ(Ⅲ級のクラック)は、初心者がリード練習するピッチだ。登って行って、残置が無くて行き詰って死んだら、責任取れるのか?」
私としては
「残置が見えないのに突っ込んでいったその人、そこで死ななくても、すぐ死んじゃうでしょう。先を見て登った方が良いよ。」
という考えがあったので、納得はできませんでした。
ただ、コミュニケーション不足のまま残置撤去に出ても、喧嘩別れに終わりそうだと反省して、1人で残置ハーケンを打ち足しに行きました。
(※雑誌などに批判覚悟で発表して、ある程度は評価されている例もある。錫杖の左方カンテなど。こういう人は、本当に労力かけてて、すごいと思います。)
<ハンド~フィストのクラック>
度々オススメが過ぎてしまうので、申し訳ないことです。
ただ、それに近い何かしらのスタイルで学べる敗退判断や先読みは、マルチピッチ、沢登り、アルパインを愛好する全てのクライマーに、必須だと思っています。
「スタイルとしては個人の自由なんだけど、リスクあるクライミングを志す全初級者がある程度やった方が良い。」
という心持ちです。
冬のブログに何回か書いた話で、
「アイスクライミングのノーテンション完登かどうかは、本来スタイルの自由。だけど、安全上の理由からノーテンションで登れるくらいの余裕がある状態で、初めて完登したことにして、次のレベルに進んで欲しい。」
という話も、ちょっと似ていますね。
皆さんは、どう思われるでしょうか?