2017年9月12日火曜日

大テラスからの小核心

9月9日(土)は、マルチピッチリード講習にて、三ツ峠。
女性HSさん、男性ITさんのペア。
今回の1P目、15mほどロープを伸ばしたところで、ワンポイントのハング越えという場面。

ハング下にはしっかりしたテラスがあり、そこから数歩登ってハングの付け根にカムを固め取り。
そして、ハング越えに慎重に挑むという場面です。
ただ、このハングは張り出しが1m位で、フォールしたら直下のテラスに足が付いて大怪我をしてしまう可能性も否めません。
という訳で、選択肢は3つ。

①ハング越えの後半ムーヴ(今回のケースだと、マントルっぽい)では、絶対に落ちないように確実なムーヴにする。(それが無理なら、引き返す)

②ハング越えの途中で、もう1つプロテクションを取る。(今回の場合は、厳しめの態勢で行うことになる)

③別ラインを模索する。

全てダメなら、カムエイドでトップアウトするか、敗退するか。
マルチだと、ショートルートに比べれば幾分易しいピッチを登ることが多いだけに、
「ちょっと怖いの我慢して・・・」
で行けちゃうことも多いです。

実際、本日の講習生もそのように行動してしまって、ランナウトしてバタバタ登り・・・。
「今のは、やっちゃいけない登りだった・・・。」と、自ら猛反省。

見ていても、①をやろうとしているのか、②をやろうとしているのか、曖昧なまま突っ込んだようでした。
<1P目>

ちなみに、そこは初期のマルチ講習卒業生の面々も同じようなミスを犯した場所なので、そういう場所なんでしょうねー。
分かっちゃいるけど、引っかかる振り込め詐欺と一緒でしょうか。
<もうすぐハング>

ジムみたいに、明らかにハングした壁なら、フォールしても安全だろうとは思います。

でも、岩場の小ハングって、今回みたいな危ない形状が多いんですよねー。スポートルートなら、ハング越えの途中にボルトが打ってあるでしょうけど、山は自己管理です。
<懸案のハング越え。ハングより下のテラスの方が広いので、変に安心感がある。>

他に、様々な反省点を残しつつも、オールフリーにて完登。

やはり、三ツ峠はこの手の練習に都合が良いです。
5.8~5.9程度で、プロテクションの効きがまずまずのマルチラインが7本ぐらいは引けると思います。

しかも、上部でのバリエーションピッチを含めたら、相当数のラインがあります。
<フォロー中>

2年前に、あまりに混んでいて足が遠のいたのですが、タイミングを見て来るとなかなか良い岩場ですよねー。

オールNP、オールフリーが、程よい難しさで楽しめます。
越沢より、易しめですしね。
<2P目>

<2P目のフォロー>
<ピナクルのビレイ点>

<カムでのビレイ点>

<ガスってきた>

<歩き飽きたとばかり、オマケのクラックに挑む>

ちなみに、マルチ講習では初顔合わせとなる2人でしたが、意外と良いパートナーシップでした。
伸び伸びしてます。

是非とも、ショートルートでも一緒に練習しておいてくださいませ。
<完登!>