12月21日(金)は、ムーヴLv.0とリード1回目を合わせて6時間コースにて。
新規女性YYさん、新規男性FMさん。
講習後に出た感想。「上手いことと、グレードが高いことは、別な気がしました。」
「私から見て、凄いグレードを登っている人を見ても、上手いとは限らない。」
登るための技術のはずなのに、相関関係が怪しく思えてくる、という不思議な話です。
一応、私なりの理解。
①心技体
上手いことは、技にあたる。
メンタルコントロール、フィジカル(純粋な筋力だけでなく、色々含めて)の総合力が、クライミング能力。
②グレードでクライミング能力を測ることの困難
得意系で5.12aを登ったとして、苦手系なら5.11aも登れないということは、十分にあり得ます。
それでも、最高R.P.グレード、最高O.S.グレード、と併記することで、おおよそのクライミング能力を表記するという慣習は、便利だと思います。
③完登ルール
R.P.の場合、そこまでの過程やトライ数、トライ日数に関わらず、完登は完登です。
とはいえ、1日の2トライで登った人と、10日間の30トライで登った人では、クライミング能力は違うはずです。
で、実際はクライマーによって、何日間ぐらい掛かる課題を好むかが異なるのです。1日~数日で登れなければ封印というクライマーから、「2シーズン越し上等!」というクライマーまで。
O.S.グレードという考え方にしても、30本の5.11aに失敗して、1本の5.11aに成功すれば、それが最高グレードになるのです。
それでも、O.S.とR.P.というのは達成感が分かりやすく、競技としての不自然さを差し置いても素晴らしく良く出来たルールで、ありがたい先人の知恵だと思います。
④フォーム
「例えば、脇が締まっていた方が、背中の筋肉は使いやすい。一般的に、小さな筋肉より、大きな筋肉で登った方が、故障もしにくく、将来的にはパワーも出せるようになるはず。」という話があります。
一方で、「肘や肩を痛めそうに見える登り方でも、ある程度の難易度までは登れる。」という現実もあります。
⑤安全管理能力
ロープが足に絡まったとしても、そこで落ちずに登りきったとすれば、完登です。
手繰り落ちしそうに見えたとしても、クリップ出来れば完登です。
カムが効いていなかったとしても、落ちずに登れば完登です。
スキージャンプのように、遠くまで飛んでも着地姿勢が崩れたら減点、というシステムではありません。
⑥隠れた技術
易しいセクションはバタバタ登り、どう見ても適当に登っているようにしか見えない人が、核心部だけ繊細なムーヴをこなすことがあります。
話してみても、アプローチセクションはほとんど記憶が無く、会話が出来ません。しかし、核心部だけはホールディング、足置き、バランス、タイミング、呼吸、とあらゆることが話のタネになって盛り上がります。
この登り方の是非は置いておくとして、この人は見た目以上に技術がある、ということを実感します。
だからと言って、「グレード向上に意味が無い。」ということにもなりません。
グレードを目標にするのが良いことかどうかも、私にはよく分かりません。
最後に、個人的なまとめを追記するか迷いましたが、陳腐なことしか書けそうにないのでやめておきます。