2019年6月27日木曜日

撤退のタイミング

6月25日(火)は、リード1回目にて、女性DHさん、男性AHさん、男性SHさん。
6月26日(水)は、ムーヴLv.0にて、女性KDさん、新規女性GDさん、新規女性IHさん。
2コマ目で、女性ONさん、復習参加の女性KDさん。
もし、目の前に水の流れが速い川があり、あなたが渡渉したいとします。
しかし、足を救われて流された場合、最悪死亡のリスクもあるとします。
ここで、進退判断のタイミングを考えます。

①渡渉開始して、いよいよ急流に差し掛かるときに、下半身に強い水圧を感じて。
②浅瀬に数歩足を入れてみて、「やっぱ危ない。」と確認して。
③手を浅瀬に入れてみて、「やっぱ危ない。」と確認して。
④水の流れを視認して。
⑤前日に、友人から前評判を聞いて、怖さを想像して。
⑥前日に、天気予報を見て、普段より少し増水していると予想して。

もしかしたら①の後、より準備を整えて再トライして、それでも危険だと思ったら止めるというのもあるでしょう。

この話では、あなたが川を渡りたい事情(モチベーションの程度)、パッと見でどの程度危険そうなのかの状況描写、などは割愛しています。

ちなみに、一般人から見たら①とか②が馬鹿げた行動です(笑)。
一方で、登山やクライミングをやる上で「そのぐらいやんないと、何も登れない。」と感じることもあるでしょう。


次に、ジムであなたの目の前に、パッと見で無理そうなボルダリング課題があります。グレードは書いていません。
どのタイミングで、次の課題へと移動するでしょうか。

①20トライぐらいして、進捗がなくて。
②数トライして、絶望して。
③とりあえず、1トライだけはしてみて。
④スタートホールドを触って。
⑤見た目で判断。
⑥周りの人に、体感グレードを聞いて「それは無理そうだ。」と確認して。
⑦周りの強い人がトライしている具合を見学して、「やっぱ無理。」と確認して。

渡渉の例と同じく、「どのくらい無理っぽいのか?」という具合は割愛しています。

もちろん、諦めた課題はいつの日か再トライするのかもしれません。
進捗が微々たる課題を執拗にトライし続けるのがプラスになるのか、進捗があるぐらいの課題を少ないトライ数で落として行くことがプラスになるのか、という練習方法のテーマとも関係してきます。
だから、その場で他に丁度良い課題があるかどうかでも、判断が変わってくるでしょう。

前記事の勇者とは矛盾するようですが、早めに止めることが正解という場面も多いし、正解がなくて好みの問題かもしれません。

さて、本題。
リード中(orハングドッグ中)の講習生がギブアップ宣言している中で、「もうちょっと諦め悪く、あれやこれや試してみたら?」と私が促す場面は多いです。
これに対し、「その通りにやったら、より一層怖い目(あるいはツラい目)に遭った!」となることも、経験上多いです。
もしかしたら、それでリードが嫌いになるかもしれません。

川の渡渉問題で言えば、「このラインなら流れがマシかもしれないから、数歩だけ川に入って再判断しては?」と私が言っているような場面もあります(笑)。
一般人の感覚からすれば、狂った話だとは思いますが・・・。リードを教えるとは、そういうものだという気もします。

この話し合いでは、ムーヴの検討、ランナウト具合の再確認に加えて、判断のタイミングの個人差、さらには恐怖心・猜疑心などの感情が加わり、議論が成立しにくいと思います。

とても煩わしい話ですが、リスクコントロールと向き合う以上は、生涯テーマなんでしょう。
ジム講習ながら、マルチピッチリード講習のように深く考えた今週でした。