2020年6月26日金曜日

スポートルートのトライに、自分が求めるもの

6月16日(火)は、自分のクライミング。
僕自身、クライミングを始めたころからオンサイトは好きですが、10数年前は今とは少し違ったと思います。

例えば、キャリア5~6年の頃は、
「オンサイトしたいと狙ったルートがあれば、8割オンサイトできると思うまで取っておく。」
という戦略を取ることが多かったです。
実際、クレイジージャム、サイコキネシス、ベルジュエール、などは、この戦略でオンサイトしました。(例が、クラックとマルチですが。)
<面白かったカンテルート>

しかし、ここ5~6年は、
「自分の心技体を出し尽くして、ギリギリで登ったという快感。」
に比重が置かれて来ました。

そうなると、オンサイト率が3~7割ぐらいのルートこそが、最も興味深いことになります。
また、オンサイト失敗したとしても、2トライ目、3トライ目のレッドポイントトライで、この快感が味わえるなら、結果オーライというのが現状のスタイルです。
(オンサイト失敗したが、2撃は易しいという困ったルートも、大変よくある。)

前者は、成果が大事。
後者は、良い試合をしたという達成感が大事。
<カンテルート、遠景>

ちゃぶ台返しをするようですが、前者であっても大きな達成感はあります。
なんせ、そのタイミングまで我慢して、他で練習してきた自分は褒めたくなります。

ただ、自分自身が明らかに成長期で、オンサイト率5割だったルートが数年後に8割になる状態だったからこそ楽しめた戦略だったかもしれません。
しかし、現在とっている戦略も、かなり面白いです。

・ややギャンブル的だが、ときどき自分の予想を超える成果が出る。
・死力を尽くす興奮のトライが、多ければ週1回ぐらいの頻度で味わえる。
・将来的に、自分が今より大幅に登れなくなっても、ジムのように新しいルートが量産される環境なら、生涯オンサイトトライを楽しめる。
話を、少し大きく捉えてみます。
オンサイトに限らず、レッドポイント、ボルダーも含めて、スポーツ的なクライミング全般で考えてみます。

本気トライに求めるもの
①成果
「~~をオンサイトした。」、「~~をレッドポイントした。」、「~~をワンデイで登った。」、「最高グレード更新!(または、最高グレード付近のグレードコレクションが増えた。)」、など。

②体験
「めっちゃ頑張った!」、「もうダメかと思ったけど、振り絞った。」、「トライ前に、超緊張して逃げ出したかった。」、「ダメ元で手を出したら、意外と止まって、そこから奇跡のようにレストポイントまで繋がっちゃった。」、など。

③上達の過程
※後述
③は、本気トライしないと上手くならない、という話です。

この際、
・高グレードの強度を味わうこと
・前述の②のような体験
・オンサイト、レッドポイントを目指すための、様々な工夫
などが行われるので、これ無しに上達は有り得ないという話です。

この場合、10日間通ってレッドポイント出来るルートと、オンサイトできるルートは、アルファベット3つ程度の差があると言われています。
(5.11c - 3グレード = 5.10d)

さらに、現実には苦手系やオンサイトしにくい形状なども考慮すると、本気トライに丁度良いグレードというのは、5~7グレードぐらいの幅があるように思います。
(5.10d - 2グレード = 5.10b)


つまり、本人の気持ちの持ちようで、大抵のルートは本気トライ対象になります。

①~③、僕も10年前も現在も全ての要素を感じながら登っています。
ただ、②に対する思いが強くなってきた、ということに過ぎません。

講習生レベルであっても、小川山ストーリー、卒業試験、小川山レイバック、カサブランカなどの名作ルートは数多く存在します。
どんな形でルートと付き合うかは、最終的には自由ですが、本当によく考えてトライして欲しいと思っています。
具体的に登ったルート
(本日は、トポと照合が上手くできず。グレードは、体感。)

・5.9(クラック) オンサイト
・5.11d~5.12a(ボルト、カンテルート) オンサイト。今日は、これをやりたかった!自分なりに、最高の体験ができました。
・5.10a(ワイド系) オンサイト
・5.10b(ボルト) オンサイト