3月30日(土)、31日(日)は、ストーンマジックにてロープワーク講習。
本来は、マルチピッチリード講習だったのですが、雨にて変更。
1日目は、常連の男性HYさん、男性NMさんのペア。
2日目は、常連女性TZさんに加えて、2日目も連続のNMさん。
当塾では、自立した登山者・クライマーを育てることを目標にしておりますので、基本的には「初見ルートでもリードでチャレンジ出来る = 卒業」
となります。
ただ、リード出来るとは言っても・・・
危なっかしい(特に、トラブルに弱い)、効率が悪い、などの問題は残ります。
そういった意味で、一応は自立している初級者が
・より高い安全
・レベルアップ
を求めて講習を受講するというのは、よくある話です。
で、当塾のロープワーク講習は、まさにその部分に重点を置いています。例えば、
①ロープの畳み方を、今までよりキッチリやることによって効率アップ
②岩場リード講習で習得済みの終了点作業(結び替え・懸垂)を、より完璧に
この2つは、講習生の方にとっては終わりなき戦いと言っても良いぐらい・・・。
もちろん、こういった基礎は講習の前半。
後半は、その方が未習得の技術を講習します。
例えば、
①懸垂下降の仮固定
②懸垂下降のバックアップ
③登り返し
④リード&フォローのシステム
⑤セカンドのテンション解除
で、初級者のうちは
「懸垂下降って、どうやるんだろう?」
「登り返しって、どうやるんだろう?」
といった型に目が行きがち。
でも、実際は懸垂下降をセットするまでの手順(と、その意味合い)こそが、
・致命的なミスをしやすく
・上級者ほど、効率的な手順を知っている
ポイントなのです。
つまり、
「基本的な型を覚えたとしても、ロープワーク講習は終わらない。むしろ、そこから当面は、レベルアップの期間。」
だということが、私も講習経験を積むうちに分かったことです。
なので、最近は型を一通り講習するというスタイルは止めました。
今は、
・反復練習をして、手順の意味合いを体に染み込ませる
・ちょっとしたトラブル対応など、本人が考える場面に時間を掛けて、手順の意味合いを体に染み込ませる
といった方向にしております。
なので、
「今日一日で、登り返しもテンション解除も両方覚えるぞ!」
と勢いごんで来ても、半分の時間は基礎練習です(笑)。
どうやら、その方が安全なクライマーが育つらしい、ということが私も分かって来たのです。
もっとハッキリ言っちゃうと、
岩場とかで講習の脇でやっている初級者さんのロープワークが、あまりに危なっかしくて注意することも度々。
講習生の方々には、その期間はサクっと乗り越えて欲しいというのが、私の願いです。
具体的な講習内容
1日目:
・ロープの畳み方(通常、背負いの両方。ロープのさばき方も含む。)
・終了点作業(結び替え、懸垂下降、立木の場合)
・リード&フォローのシステム
・ハンドクラック練習
2日目:
・終了点作業(結び替え、懸垂下降、立木の場合。ギアが足りなかった場合の対処も一部織り交ぜて。)
・登り返し(懸垂下降との切り替えも含めて)
・ハンドクラック練習
とはいえ、私の教えられることにも限りがあるので、私の3分の2くらいの技術になったら、さすがに卒業だとは思いますけどね。
それ以上習いたい方は、もっとロープワークに強い先生が良いんでしょうが。
ただ、そこまで行く人って講習生の中には今後何人いるんだろうか?
って、思う程度です。