5月12日(日)は、小川山にてマルチピッチリード講習。
男性NMさん、男性ONさんというペア。
マルチピッチリード講習の最終目標は、「未踏の岩壁のつもりで登る」
ということ。
残置無視ですし、ルートによってはトポも使用しません。
<天気は、快晴!>
講習中の課題も
「さあ、どこでも好きなラインを登ってください。」
ということになります。
<ラインの検討と、ギアの相談>
その前段階のクラック講習では、
・トポを読んで登るルートを決める
・終了点は、大抵はしっかりした立木やボルトがある
などなど、基本的には敷かれたレールがあります。
<1ピッチ目は、NMさん>
それが、マルチピッチになった途端に
「好きなところを登ってください。」
「ピッチを切る場所も、好きな場所で。」
ONさんからの印象としては、課題がハードだそうです。
<本日は、絶好の撮影日和>
さらに、今回は
南稜神奈川のルート図上の終了点が、岩稜の肩でした。
予想通り昼頃にはそこに着いたので、そこから岩峰の頂上を目指して登って行くことに。
「でも、岩がボロすぎたりしたら、無理せず敗退して帰りましょう。」
という課題設定。
つまり、完登というゴール地点すらも、自分達で決めちゃってください、というもの。
ONさんが言うには、
「登るとは何ですか?」
「安全とは何ですか?」
などの、大学の試験みたいな感覚だそうです。
<2ピッチ目は、ONさん>
今回で言えば、
「岩が硬くて、クライミング的に魅力的な部分だけを登る」
という意味では、下部2ピッチでゴールだったでしょう。
「屋根岩2峰の頂上まで」
という意味では、ちょっとヤブっぽい岩峰が頂上でした。
<チムニーの登り方が分からず、苦労するNMさん>
で、2人が選んだゴールは、2峰の頂上付近にある、ちょっと開けた岩峰!
山頂の美しさを基準に、ゴールを選んだようです。
当然、その岩峰に登るためには、余分にロープを伸ばさねばなりません。
帰り道だって、長くなって大変です。
でも、2人が選んだゴールなんで、そこまで登るのも楽しそう。
<NMさんの背後の岩峰を、ゴールにしようという案も有力だった>
良いクライミングというより、もはや良い山行だったという気分です。
<最後に、カムでのビレイポイントも使用>
<快晴の岩峰にて!>
余段ですが、下山時に巨大落石が起こる(誘発?)など、山登りの危険を再認識。
自分で登ってもリスクがあるのに、講習生の方に自由に判断してもらいながらコメントする。
我ながら、本当に恐い仕事だと、つくづく思ったのでした。
<落石を起こしたとき、他のパーティーがいなくて、本当に良かった>
ところで、2人ともマルチピッチリード講習は卒業でも良さそうです。
あまりにも広い範囲を講習していて、
「これでO.K.」
とは言いにくいのですが。
まあ、これくらいでも入門ルートに頑張って行っている人は、山ほど居ます。
ロープワークも判断も、まだまだ不慣れながらも、基本的な考え方は分かってきました。
最初は、2ピッチのルートなどから、気を付けて行ってください。
まあ、すでに予約してある日程は、補習的な意味合いでやって行きましょうか。