2015年3月16日月曜日

山の成長は、長い目で

3月14日(土)は、アイスクライミング講習にて、八ヶ岳の摩利支天大滝。
男性HYさん、女性ARさんの2名
<地図を見ながら、摩利支天沢を探す>

講習内容にも、2つの要素があるように思います。

1つは、題目名の技術そのもの。
(今回で言えば、アイス)

アイスクライミングを覚えたくて、申し込んでくださっているのだから、当然。
<ラッセル>

もう1つは、それ以外の登山・クライミング技術全般に関して、ちょっとしたアドバイス。

アプローチの遠いエリアなら、

・地図読み
・ルートファインディング
・雪山歩き、休憩の手際

といった、普通の登山技術を見ることが出来ます。
<取り付きにて、ムーヴ練習>

また、決行するか迷うような天候のときに、

「こーゆーときは、このエリアの方が天気がマシ。多少悪くても、このエリアの方がモチベーションが続く。」

といったアドバイスをしています。

で、講習生の気持ちいかんで、決行or中止の判断。

これの繰り返しで、天候の微妙なときの相場感覚を身につけてもらいたいです。
<ムーヴ練習>

また、今回はアプローチにちょっとしたラッセルも出て来ました。

そこで、ARさんが急登のキックステップが苦手だということも分かりました。
<トップロープでの、本気トライ>

で、実際のクライミング講習が始まっても、

・休憩場所の選定
・靴紐の締め方
(締め直すと、踵が浮かなくなるので、アイスクライミングが楽になることが多い)

・手袋の種類と使い分け
・凍傷、低体温症の予防

といったことを説明することも多いです。
<ARさん、完登>

また、アイスクライミングのムーヴを説明しているんだけれども、

「これって、フリークライミングと共通なんだけど。」
と思うようなムーヴ説明が、半分くらい。
<HYさんのリードトライ>

さらに、終了点作業やリードをしてもらう中で、いつも口酸っぱく言っているような安全に関する項目をおさらいしたり。

ARさんは、終了点作業で疲れてしまったのか、最終チェックを飛ばすというミス。
HYさんは、リード中に、プロテクション戦略がチグハグになるというミス。

などなどを指摘して行きます。
<核心は抜けて>

現場に行くと、様々なことが起こります。

これらは、常連さんだからこそ、長い目でアドバイスしていけるものでしょうね。
<完登!>

ちなみに、本日はHYさんが、最後にリードで完登!

傾斜のあるアイスのリードは初めてだったので、良い経験になったと思います。

摩利支天大滝を登ったなんて言ったら、ちょっとスゴイ感じ。
<キャッホー!>

ただ、トップロープでの疑似リードをした上に、のべ10人くらい登った後で穴だらけ。
ちょっと、ハンデ戦みたいな感じです。

なので、摩利支天という成果よりも、
「傾斜のある滝を、ノーテンションでリードする。」

という感覚を身につけていただければと思います。
<ARさん、スクリュー回収便をトライ>

来シーズンには、入門的なエリアから、徐々にオンサイトトライを始められると思いますよ。

今シーズン最後に、2人で南沢小滝くらい行ってみようかという話も出ているようですし。
<完登!>

2人とも、シーズン初めに比べて、本当に上手くなりましたね。
<こうして見ると、短いながらに太くて立派>

<下山>

<夕焼け>