2015年3月1日日曜日

クラッククライミングQ&A

2月28日(土)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
男性NSさん、女性STさん、女性KIさん、男性EGさんの4名。
クラック素人さんからは、様々な質問が来ます。

やってみないと結局は分からないんですが、1回目の印象が悪かったりすると誤解が深まることもあります。

サラッとずつ、回答例を紹介します。
Q.やっぱり、痛いんですか?

A.
しっかり決まっていれば、あまり痛くないと思います。
ただ、初心者のうちは、ジャミングを岩に馴染ませることが出来ないため

段々ずれて来る

といったことが多く、痛く感じることも多いでしょう。

初日、2日目は、ある程度は仕方ない部分もあります。

とはいえ、何日もクラックに挑んでいて、ずっと痛いなら、それはジャミング方法がおかしいと考えてください。
Q.カムって、外れたりするんですか?

A.
「ボルトって抜けるんですか?」
という質問と同じで、どんな支点にも絶対はないです。

ただ、カムの場合は、本人の力量で

「これなら、さすがに大丈夫だろう。」
「これは、ちょっと怪しいなー。」
「これは、止まったら恩の字。」

という感じで、外れる確率を評価できるようになります。

それに対して、
「次は核心っぽいから、落ちる確率が結構あるな。自信があるの2つ取れれば、勝負かけても良いかな。」

といった、リスク管理が出来ます。

そういう意味では、リスクが分かっている人にしか出来ない分、むしろ安全なクライミングにもなり得ると思います。
Q.ジャミングだけで登って行くんですか?

A.
そうとは限りません。
ジャミングは、クラックを登るための技ですが、フェース的なホールディングの方が登りやすいこともあります。
要は、そのときそのとき、一番合理的なムーヴで登ればO.K.。

ボルトルート同様に、フリークライミングとしての完登がゴールですから。

「ジャミングだけで登らなきゃダメ!」
みたいな、限定ルールはありません。

とはいえ、ジャミング技術を高めて行くことは、大きな魅力ではあります。
Q.拳より広いサイズは、どうやってジャミングするんですか?

A.
そこより広いサイズは、ワイドクラックと言って、さらに色々な技があります。

これについては、文章での説明が向かないのですが、分かってしまえば

「なるほどー!」
という技の応酬。

「全身の中で、どこの部位をジャミングと同じ原理でスタックさせるか?」

という話で、身体を使った立体パズルの世界になって来ます。
Q.なんで、クラックを登るんですか?

色々あります。

①自然のままの山や岩を登るための手段

②クラック技術そのものの奥深さ

③ジャミングが岩に馴染む心地よさ

④リスク管理そのものをゲーム化していることの戦略的魅力

⑤見るからにカッコよく走る、クラックの彫刻的な美しさ

などなど。
例によって、登り込むまでは実感できないのですが。

ただ、
「ジャミングは痛いものだ。」
「クラックは危険すぎる。」

みたいなことを感じたときに、このQ&Aを思い出せば、誤解だと思い直せるかもしれませんよ。
具体的な講習内容
・テーピングの仕方
・ジャミングのコツいろいろ
(ボトミング、膨らませる力、引く方向と肘の向き、馴染ませる、など)

・ジャミングを引きつける練習
・トップロープ練習
(ハンドジャムで身体を離す、プッシュとの組み合わせ、チムニー練習)

・トップロープでのトライ
NSさん、STさんは、純(5.8)を完登

・リード練習
EGさんは、無名ルート2本(5.4ぐらい)と、鬼ころし(5.7)を再登

※EGさんは、復習受講的な位置づけでしたが、
カムセットは、さすが。
ジャミングは、少し誤解していた風もあったのが、だいぶ効くようになったと見えました。
チムニーは、最初は意味不明そうでしたが、段々と初歩的な動きが理解できて来た様子。

せっかくなので、何週か登り込めるとベストですねー。