今回は、常連女性TKさんのリード練習です。
マルチピッチのロープワークは、実際にやってみると最初は混乱気味で致命的なミスが不安です。
しかし、TKさん。
「致命的なミスだけは避けよう」という落ち着きが出てきたように感じられます。
そして、リード中も「困っても、なんとかせねば」という意識で行動出来てきたようです。
“ベストでなくても、致命的でない程度の判断をしていくこと。”
当たり前のことですが、自立して登るためには必要です。
とはいえ、講習受講歴が長くなるほど、あるいは年齢的に遅くアルパインクライミングを志した人ほど、忘れがちになるように感じます。
理由は色々あると思いますが。
そして、意識改革というのは単刀直入な説明では上手くいかないことが多いもの。
僕は大学で教育学をかじりましたが、まさに学校教育の核心部みたいです。
(知識・技術よりも教えづらい、という意味で)
本人自身が、多いに反省すべきケースを実体験したり、逆に 上手く行く例を体験したり。
何にせよ、「具体的な実体験を伴わないと、説教くさいだけになってしまう」というのが教える際の難しさです。
僕も、TKさんに意識改革して欲しいと思っていたので、最近は色々と具体例は出してみました。
(カムによるエイドクライミングでリード、ジム講習ではR.P.タクティクス)
それが少し効いたのか。
あるいは3ヶ月前の三ツ峠で致命的なミスに対して、厳しくダメ出ししたのが効いたのか。
それとも、本人自身が3ヶ月の間に、何か気付くような経験を積んでいたのか。
本当に、見違えるような落ち着いたクライミングが出来ていました。
また1つ、クライマーに近づいたように思います。
具体的な講習内容(今回は、トレーニング内容)
<Ⅲ級凹角を、リード&セカンドビレイ&懸垂下降のセット練習。4回>
ロープワークの細かいコツを、毎回少量ずつ指摘。
1回ごとに、効率的なロープワークに近付けていく練習。
コール無しの練習。
<そのままマルチピッチで、3ピッチ目までチャレンジ>
プロテクションが取りにくい2ピッチ目は、講師がリードして、ハーケン回収の実践練習。
3ピッチ目は、TKさんにチャレンジしてもらうも、さすがに敗退。
そこから懸垂下降。
<Ⅲ級のクラックピッチで、オンサイトリード>
声が全く届かない状況でのビレイ点作業!
ロープも重い中、見事に完遂!
次回は、再び三ツ峠に戻り、Ⅳ級リードとビレイ点自作を再度チャレンジいたしましょう!