2015年10月24日土曜日

見込まれた男

10月24日(土)は、マルチピッチリード講習にて、越沢バットレス。
女性STさん、男性ITさん。
<リード&フォローの練習>

マルチピッチリード講習の初回は、リード&フォローのシステム確認がメイン。

山岳会などで実践を積んでいるSTさんは、色々な質問コーナーに。
マルチピッチ初心者のITさんは、そもそもセカンド確保の仕組みから。
<まだ、ロープも絡みがち>

本日は、最低でもシステム確認という予定でした。

午前中に、地上でのロープワーク練習。
午後は、1ピッチをリード&フォローから懸垂下降、という流れを2サイクル。
<登竜門的なクラック>

ところがどっこい。(STさん風)
ITさん、覚えが良い!(同上)
さすが、見込んだ男だけある。(同上)

システム理解も、クライミングそのものも、未経験者とは思えません。

ちょっと、昨年の男性STさんに近いものを感じます。
マルチになると、実力を発揮するタイプ?
そんな訳で、1回目のリード&フォロー練習までは、順調そのものです。

私なんぞ、STさんが待ち疲れる姿まで妄想して、本日に臨んでいたというのに。
<懸垂下降もトラブル色々>

さて、今度はSTさんリードの2本目。

ビビりな彼女には珍しく、攻撃的なラインを選択。

このラインは、STさんが体験講習のときには、
「こんなライン、あり得ない!」
と何度も口にしていたハズですが(笑)。
<2本目>

4ヶ月で、岩を読む目も養われたのでしょう。
そして、見事にリードで完登!

※これも、私にとっては嬉しい成長でした。
<マルチながら、クライミングっぽい動きもあって、やってる感あり>

<「被ってるじゃん。」>

この段階で、まだ15時。

「じゃぁ、もう1ピッチやってみますか?」
と促して、ITさんにリード交代。
<2ピッチ目>

そうすると、なんと45m近くもロープを伸ばして、2ピッチ目にして岩場をトップアウトしてしまいました(笑)。
体験講習で登ったラインのはずですが、忘れていたので、実質オンサイト(笑)。

あれ?
講習初日の2人が揃っているのに、こんなに本格的に登ることは、ありませんでしたね。
<トップアウト直下>

STさんも私も、本日は驚きの連続でした。
講習初日から、良いクライミングしちゃいましたね。

何が良かったのか、私にもよく分かりません。

10年のキャリアが、ここへ来て花開いたのかもしれません。
スラブが得意なのが、マルチでは有利なのかもしれません。
クラック講習の復習受講を受けまくっているのが、戦略家を育てたのかもしれません。
ひょっとすると、もとから戦略家なのかもしれません。

いずれにせよ、見込まれただけありますね。
<完登!>

でも、ロープの流れも、段取りも、ロープワークの安全管理も、敗退シナリオも、全てにおいて指摘するべきことは山ほどありました。

一例を挙げれば、メインロープでセルフビレイを取っているのに、エイトノットを不用意に解こうとしたり。
(足場が良かったので、テンションを掛けておらず、指摘されるまで気付かなかった。)

まぁ、それでも初回としては十分すぎますが。
<明るいうちに下降>

次回からは、全体の流れが見えているはずです。
ミスも減らせるはずですから、ますます各ピッチに集中できるようになるでしょうね。

あと数回もすれば、いよいよ楽しく登れるようになると思いますよ。