2012年11月20日火曜日

フリークライミングは、スポーツとはちょっと違う

11月15日(木)は、湯川にてクラック講習。
ボルダーが強い女性KSさん、昨冬にクラック仮免許まで行ったままクラックから遠ざかっていた男性STさん、1年前にマルチピッチ体験を受講した女性AKさんの3名。

<カムセット練習中>
フリークライミングの完登は、
「一度も落ちずに(ロープ、ヌンチャクなどにも掴まったりすることなく)、登りきること」

ということになっております。

要するに、

「ロープやヌンチャク、ボルトなどが無かったとしても、俺は死んでいない!」
というのが完登。

「ロープなどが無かったら、俺は死んでいた!」
というのが失敗。

ということです。

<11月は、すっかり木の葉も落ちて、日当たりの良い湯川>
これ、フリークライミングに馴染みの薄い人からすると、
「なんかスポーツっぽいルールだな」
と、思うかもしれません。

たしかに、
・冬の山岳エリアのような冒険性
(例えば、冬壁)

・本当に落ちたら死んじゃうような緊張感
(例えば、プロテクションの取れないルート)

とは、明らかに違います。

<ナッツの決め方を検討中>
でも、これがやってみると意外と本能にピッタリ来るような面白さがあるのです。

ロープにぶら下がらなかっただけなのに、自力で登った感は倍増です。
フリークライミングの中に、単なるスポーツではなく、岩そのものを登る美学や達成感が加わって来ます。

<STさん、久々ながら1本リードして、仮免許状態に復帰。ちなみに、このあと見事にフォールします。>
さらに、クラックはボルトではなく、自分で持ってきた支点を使って登って行きます。

たったこれだけのことですが、驚くほど冒険性は増します。

<リードのビレイは心配>
特に、オンサイトトライは、

「この先のプロテクションを考えながら登る」という作戦要素が強く、1ピッチながらも冒険的です。

<初めての本格的なクラックながら、1本だけはノーテンションで抜けたAKさん>
当塾では、マルチピッチリードを講習する際に、クラックのリードが出来ることを必須条件にしております。

クラックをやるなかで、

・戦術
・プロテクション技術
・ラインを読む目(ルートファインディング)
・そのままの岩を登ることの難しさと達成感

をまずは知って欲しいからです。

マルチピッチ、そして冬のアルパインクライミングは、
5.8のオンサイトが出来てからがオススメです。

そうすることで、より一層、本来の岩を感じられます。

<当塾は2日目ながら、早速5.8をリードするKSさん。ボルダー初段登れるんじゃ、そりゃ早い。>
具体的な講習内容
・テーピングの方法(AKさんのみ)
・ハンドジャムの練習
・サムカムの練習(KSさんのみ)
・カムセット練習(取りつきにて)
・疑似リード(KSさん、STさん)
・実践リードトライ(KSさん、STさん、ともにデゲンナーをリード!)

ただ、今回リードしたのは
“トップロープリハーサルした”上に、“カムセットも非常に易しい”ルートです。

そういう意味で、これが仮免許!
でも、やっぱりリードはして欲しいし、本人も一番嬉しいでしょうね。