2012年11月12日月曜日

ズームイン・ズームアウト

11月10日(土)は、天王岩にて岩場リード講習。
常連男性NMさん、男性HYさんのコンビに加えて、先月のクラック講習から参加のYZさん夫妻。
クライミング中は、作戦が重要になります。

「今、ここで落ちたら危ないのか?」
(墜落距離の計算、ボルトの種類、などなど)

「右回りが楽か?直上が楽か?」

「あそこまで行けば(or戻れば)、大レストしながら作戦を立て直せるはず。」
(メリハリあるスピード感)

「今の場面は、時間を掛けて効率的なムーヴを探るべきか?それとも、粗いムーヴでも突破してしまった方が楽か?」
で、これが得意な人というのは、登りながらも全体が見渡せるということなのでしょう。

こういう人は、総じて山でのクライミングに向いています。
一方で、クライミングはやっぱり突破力が命!

ここ一番の場面では、一手進むごとに墜落距離が増えて行く恐怖をすっかり忘れて、ボルダーのようにムーヴだけに集中したいものです。

これが得意な人は、フリークライミングのグレードが向上しやすいと思います。
前者をズームアウト、後者をズームイン、と呼んでいるクライミング教本がありました。
(『パフォーマンス・ロッククライミング』)

考えれば当たり前の話でも、用語があるというのは便利なものです。
岩場リード講習で扱うのは、安全管理。
お客様も、私に誘導されるようにズームアウトする機会が増えるでしょう。

その一方で、ズームアウトばっかりしていると、やっぱり突破に集中力が発揮できません。
YZさんの奥様、典型的なズームアウトっぷり。

終了点作業や、ランナウト具合に気を使うことには信頼が置ける一方。
ここ一番のムーヴには集中できずに、クライムダウンなどの逃げ道を常に用意してしまいます。

ちなみに、クラックでは、特にズームインは難しく、私も未だ作戦を考えながらになってしまいます。

ま、将来的には直した方が良いでしょう。
今は、安全管理を講習しやすいタイプなので、しばらくはそのままでも良いですけどね(笑)。
具体的な講習内容
・終了点作業
(結び替え、残置スリングのみの場合、立木の場合)

・ウィップフラッシュ現象と、ヌンチャクの向き
・捨て縄の利用方法(NMさん、HYさん)

・実践リードトライ
全員が5.8を一撃できました!
特に、怖がりのYZさんの奥様、頑張りましたね。