2月28日(土)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
男性NSさん、女性STさん、女性KIさん、男性EGさんの4名。
クラック素人さんからは、様々な質問が来ます。やってみないと結局は分からないんですが、1回目の印象が悪かったりすると誤解が深まることもあります。
サラッとずつ、回答例を紹介します。
Q.やっぱり、痛いんですか?
A.
しっかり決まっていれば、あまり痛くないと思います。
ただ、初心者のうちは、ジャミングを岩に馴染ませることが出来ないため
段々ずれて来る
といったことが多く、痛く感じることも多いでしょう。
初日、2日目は、ある程度は仕方ない部分もあります。
とはいえ、何日もクラックに挑んでいて、ずっと痛いなら、それはジャミング方法がおかしいと考えてください。
Q.カムって、外れたりするんですか?
A.
「ボルトって抜けるんですか?」
という質問と同じで、どんな支点にも絶対はないです。
ただ、カムの場合は、本人の力量で
「これなら、さすがに大丈夫だろう。」
「これは、ちょっと怪しいなー。」
「これは、止まったら恩の字。」
という感じで、外れる確率を評価できるようになります。
それに対して、
「次は核心っぽいから、落ちる確率が結構あるな。自信があるの2つ取れれば、勝負かけても良いかな。」
といった、リスク管理が出来ます。
そういう意味では、リスクが分かっている人にしか出来ない分、むしろ安全なクライミングにもなり得ると思います。
Q.ジャミングだけで登って行くんですか?
A.
そうとは限りません。
ジャミングは、クラックを登るための技ですが、フェース的なホールディングの方が登りやすいこともあります。
要は、そのときそのとき、一番合理的なムーヴで登ればO.K.。
ボルトルート同様に、フリークライミングとしての完登がゴールですから。
「ジャミングだけで登らなきゃダメ!」
みたいな、限定ルールはありません。
とはいえ、ジャミング技術を高めて行くことは、大きな魅力ではあります。
Q.拳より広いサイズは、どうやってジャミングするんですか?
A.
そこより広いサイズは、ワイドクラックと言って、さらに色々な技があります。
これについては、文章での説明が向かないのですが、分かってしまえば
「なるほどー!」
という技の応酬。
「全身の中で、どこの部位をジャミングと同じ原理でスタックさせるか?」
という話で、身体を使った立体パズルの世界になって来ます。
Q.なんで、クラックを登るんですか?
色々あります。
①自然のままの山や岩を登るための手段
②クラック技術そのものの奥深さ
③ジャミングが岩に馴染む心地よさ
④リスク管理そのものをゲーム化していることの戦略的魅力
⑤見るからにカッコよく走る、クラックの彫刻的な美しさ
などなど。
例によって、登り込むまでは実感できないのですが。
ただ、
「ジャミングは痛いものだ。」
「クラックは危険すぎる。」
みたいなことを感じたときに、このQ&Aを思い出せば、誤解だと思い直せるかもしれませんよ。
具体的な講習内容
・テーピングの仕方
・ジャミングのコツいろいろ
(ボトミング、膨らませる力、引く方向と肘の向き、馴染ませる、など)
・ジャミングを引きつける練習
・トップロープ練習
(ハンドジャムで身体を離す、プッシュとの組み合わせ、チムニー練習)
・トップロープでのトライ
NSさん、STさんは、純(5.8)を完登
・リード練習
EGさんは、無名ルート2本(5.4ぐらい)と、鬼ころし(5.7)を再登
※EGさんは、復習受講的な位置づけでしたが、
カムセットは、さすが。
ジャミングは、少し誤解していた風もあったのが、だいぶ効くようになったと見えました。
チムニーは、最初は意味不明そうでしたが、段々と初歩的な動きが理解できて来た様子。
せっかくなので、何週か登り込めるとベストですねー。