2016年6月28日火曜日

5.8の冒険

6月25日(土)、26日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。
1日目は、女性Sさん、男性STさん。
2日目は、女性Sさん、復習参加の男性KBさん。
<グラっと来ないことを意識>

今回、本気トライしてもらったときに、こんなことが。

かわいい女(5.8)をオンサイトトライ中に、2本目のボルトから上で、隣のルートのボルト(“オーウェンのために祈りを”のハング下)を目指してしまいます。
そこにクリップしてしまう人は、過去にも何人か居ました。

さらに、ここでもう一つ隣のルートのボルト(“高い窓”のハング部分)を目指してしまいます。
<疑似リード>

さて、これだけ大トラバースした訳ですが、ハングを越えて当初目的の終了点(“ウルトラセブン”の終了点)へと大トラバースで戻ります。

で、ロワーダウン回収しようとするも、あまりの大トラバースで回収困難に。

幸い、オーウェンの上部が階段状だったので、そちらの終了点まで上がってロワーダウン回収に成功しました。
<リード中>

さて、反省はここから。

下で、私が「このボルトラインでお願いします。」とライン指定して、本人とも確認の会話済みです。
ですが、なぜラインを間違ったのでしょうか?
<岩場初リードのSさん>

また、ちょっと間違っちゃうくらいは、誰にもあるとも言えます。

しかし、大トラバースをして景色もだいぶ違い、ヌンチャクも予備まで使っている状況で(ボルト3本であることは、下から見えるので、4本以上使っている時点で変)、なぜ変だと思わなかったんでしょう?
<19時前でも明るいです>

本人の反省として

①全体の見取り図の意識が低くて、ボルトをクリップしたら目の前に見えた次のボルトを目指してしまっていた。
②十分休める場所でも、ちょっと焦っていた。「登ってやるぞ!」という意識が強かった。

というのが挙がりました。
<2日目>

「ちなみに、もし仲間内で登っていたら、どんな反省をしていたと思いますか?」
という質問をしてみました。

①そもそも、ちょっと間違った時点で、ビレイヤーが「そっちじゃない!」と叫んでしまってオシマイになることが多い。
②それでも間違った場合は、じゃあ今度はこっちを登れば良いや、というだけで間違った理由を振り返ることまで反省が広がらない。

とのことでした。
<かわいい女>

「初心者は、レストしながら落ち着いて登りましょう。」
と常々言っておりますが、その失敗例として本人の心に深く刻まれた1日でした。

講習生にとっては、ボルトのオンサイトトライも十分な冒険かもしれません。
<オーウェンから高い窓への、大トラバース中>

具体的な講習内容
・スメアリングのムーヴ練習
・グラっとならない、安定したムーヴの重要性
・ヌンチャクの向き(1日目)
・ボルトの種類(2日目)
・疑似リード&易しいリードで、ロープを足に絡ませないことを意識する
・落ちる練習(2日目)
・実践本気トライ 良い勉強でした。