2015年5月25日月曜日

マルチピッチにも、本気トライ戦略を

5月23日(土)は、マルチピッチリード講習にて、三ツ峠。
女性ARさん、男性FKさん。
<快晴!>

マルチピッチとはいえ、1ピッチが難しいことも多いです。

特に、今回の2人にとっては、三ツ峠の残置無視、オンサイトトライは、それなりに難しいものです。
<いつ見ても、デカイなー>

そこで、今回は2日目の日曜は、天気予報が微妙という時点で、ロープワーク講習に決定。

1日目のみを、本気トライ。
これで、思う存分に出し切れます。
<オブザベ中>

次に、午前中はビレイ点作り、ハーケン打ちの講習。

マルチピッチで混乱しがちな、ロープワークについて、体力を使わずに練習タイム。
<ハーケンを打って、実際に静荷重してみる実験>

<FKさんは、ビレイ点作り練習>

そして、1ピッチ毎に十分にオブザベーションをします。

「カムを、どれだけ持って行こうか?」
「ビレイ点は、どんな感じに作れそうか?」
「出だしのハング越えは、どんなムーヴになりそうか?」
<1ピッチ目のAR姫>

もちろん、実際のリードそのものも、十分に本気トライ。

9割方オンサイト出来そうなピッチを選んでおりましたが、それでも行きつ戻りつしながら、十分に時間を掛けて登ります。
<なかなか良いクラック>

<核心、抜けた!>

そうなると、荷物を背負ったフォローは苦労必須!

そこで、荷揚げも頻繁に使います。
<ワイドムーヴ!>

<ザックは、数メートル下にあるため、これから荷揚げ>

<姫にしごかれる組長>

それでも、1ピッチ終わる頃にはグッタリ・・・。

そこで、核心ピッチの前後では、ビレイ点のテラス毎に10分ほどの休憩をとりました。
(意図的ではなく、息が上がっていたので、「10分くらい休憩しましょうか?」と声掛けした程度)
<十分に大レストして、2ピッチ目へ>

結果的に、この戦略が大当たり!

1ピッチ目のフォローで、フラフラに目を回していたFKさん。
10分休憩を含む、20分以上のビレイ点作業の後で、2ピッチ目にオンサイトトライ!

個人的には、2ピッチ目の方が悪いと思うのに、見事にオンサイト!
<組長、渾身のトライ>

<フォローで、何度も落ちるAR姫>

<でも、楽しそう!>

<さすが、三ツ峠の景色>

マルチは、スピードも大事です。
特に、日没が迫るようなシチュエーションだと、それは確かです。

で、今回の2人が採用した戦略は、あえて逆を行くものばかり。
「焦らず、ゆっくり、時間を掛けて」
<スクランブル交差点のような混雑>

これはこれで、本当に有効だと思います。

マルチピッチとはいえ、各ピッチが本気トライなら、本気トライ戦略を使おうって話。
また、マルチピッチに不慣れな2人が、ロープワークをじっくり考えられる余裕もあったようです。
<渋滞回避して、ハンドクラックへ>

<ようやく空いてきた17時>

実際、12時5分に登攀開始して、三ツ峠山頂にトップアウトしたのは18時。

いつも通りの長丁場です。
でも、本当に有意義な6時間だと思うんですよ。
<トップアウト目前>

全力を出しつくして、各ピッチをオンサイト!
初登攀気分で、トポを見ずに山頂へ!

クライミングって、初級者でもこんなにも楽しめるものなのかと、感じ入ります。
<人生で数回しか経験がないという、Vサインを見せる>

最後に、今回でARさんは、マルチピッチリード講習を卒業といたしました!
今後は、仲間ともマルチピッチを楽しんでくださいませ。

もちろん、マルチピッチ講習の復習参加、研修登山、冬の講習と、オプショナルな講習も各種あります。
これからも、長い目で山を学んで参りましょう。
<完登で、苦労も吹っ飛ぶ!>